あたたまる
10月。またしても三連休。今年は多い気がしているけれど、気のせいかなあ。来月も2回もあるし、体感だとほぼ毎月1回は楽しんでいるくらいの頻度。
土曜日はゆっくりお昼ごろに起き、お休みの時の常で家中のカーテンを開ける。夏の間、カーテン越しでも部屋に入ってきた眩しいほどの白さは、いつの間にか消え、ちょうど真昼でも、もはや窓際でないと少し薄暗い。
夏が終わってしまったなあ……と暑いのは苦手なのにわがままに寂しくなる。
でも、そうは言っても、もう10月なのだ。7月でずっと止まっていたカレンダーが、いつの間にか10月までめくられているのを見て、仕方ないなとようやく諦めが付き、最近は紅茶ばかり飲んでいる。秋は、紅茶がだんぜんおいしい。
すっかり定着したハロウィンは、今年はキィニョン*1のスコーンで。
何の気なしに5つ買ったら、BOXに入れてもらえて、期せずしてハロウィンを片手に帰宅。Betjeman&Barton*2の紅茶を入れて、焼き戻して夜のおやつにしたり、朝ごはんにしたり。
ほろほろしたりざっくりしたり……という粉っぽいスコーンが、むしろ好みなのだけれど、しっとり系ならここがいちばん! と大学生のときから思っているキィニョン。
焼き立ては、じゅわああっと生クリームが染みていて、ねっとりと不思議な口触り。最初に食べたときには、これはスコーンじゃない! と思う反面、新しい焼き菓子としてはかなりおいしい部類で、ときどき無性に食べたくなる。
ラムレーズンと紅茶、プレーンとメープル。そして、ごろごろチョコチップの焼きこまれたチョコマーブル。どのフレーバーも、たしかに、「飲み物が必要ないスコーン」のキャッチコピーに恥じないしっとり感。
BOXを開けると、中にはかわいいフォントで「おいしいお召し上がり方」が。
こういうところまで凝っているのがうれしくて、そもそもキィニョンに心惹かれた要因の半分以上は、イラストだったりパッケージのかわいさだったりする。
根っからのチョコ派なので、いろいろ食べた結果、やっぱりチョコマーブルがいちばん好き。温め直さなくても、ちっともぱさぱさしないので、土曜日の朝ごはんは寝ぼけたままこれとヨーグルトだけ。
せっかく再会したカスピ海ヨーグルトなので、ダメにしてしまわないよう、最近せっせと食べている。いちばん好きなのは蜂蜜をたらし、その上からシナモンをふりかけたもの。
秋っぽい味覚なのもうれしく、シナモンのおかげで酸っぱさが完全になくなるので、ヨーグルトは好きだけれど酸味が強いものは嫌い、というわがままな舌にはありがたいタッグ。
あさごはんを食べ、目が覚めたところで、金曜日の夜、回すだけ回してほっておいてしまった洗濯物を回し直し、取り込んだままだった木曜日の洗濯物を畳んでしまう。
平日ちゃんとしたいという気持ちはありつつも、中途半端に発揮されるとこんなことに。反省は何度もするけれど、なかなか生かされなくて、我ながら平日の自分には甘くて嫌になる。
休日なので、もう一度追加で洗濯物を回し、それも干し終えたところで、午後から池袋に。今日は、久しぶりにお芝居を観るのだ。
わたしはフィクションは娯楽だと思っているので、それが映画でも小説でも舞台でも、テーマの重いものや社会性の高いもの、あるいは何かしらのメッセージ性の強いものは、軒並み苦手なのだけれど、このお芝居はなぜか観ることができる不思議な一作。
宅フェス第3弾の『くちづけ』*3。
- 出版社/メーカー: Victor Entertainment,Inc.(V)(D)
- 発売日: 2011/04/06
- メディア: DVD
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DVDで先に観て、だから今回の再演は楽しみにしていた。泣き過ぎて頭が痛くなるのは、DVDでも生の舞台でも変わらず。劇場でほろりと来ることはあっても、嗚咽をすることって、滅多にない体験だと思うのだけれど、最後の演出はずるかった……。
生で観て、観ているだけでこんなにくたくたになるなんて、もう二度と観たくないなあと心底へとへとになったけれど、でも誰かが観たいと言ったら「すごく調子がいい時に、一度は観て欲しい」と、その人の心身のコンディションを見ながらオススメはしたい一作。
結局突き詰めてみれば、ものすごく優しい人々の話で、優しいというのは必ずしも正義じゃないのだ、と思いながらハンカチを1枚ダメにした。難しいね。
個人的には、小学生の頃、「好きな芸能人は?」と訊かれたら即答していて、大人になっても「子どものとき好きだった芸能人は?」と訊かれたら毎回答えることにしているSPEEDの上原多香子嬢がすごくよかったのも、うれしかった。
お元気そうで何よりです。お芝居がよかったのはもちろん、最後のダンスがかわいかった。
取ってもらった席が1Fのほぼセンターで、お芝居のときしみじみ「いい席だなあ」と思ったのだけれど、宅フェスというのは、エンディング(?)のようにお芝居本編があった後、LIVEがある。
その時にはまっすぐ視線をやると上原多香子嬢、というなんとも至福の席だった。
あの頃美人だなあと思った顔と、基本的にはほとんど今も同じ顔をされていて、なんというか若いなあという感想ではなく、なんて顔の完成された中学生だったんだろう……と18年越しくらいでびっくり。
晩ごはんは、エネルギーのあるものが食べたくなって、お肉三昧。まあ、観る前からお肉お肉と騒いでいたのだけれど、観た後はより一層、体と言うよりは心が、がつんとした食べ物を求めていた気が。
その後、アイスクリームまでたいらげて、失った何かを取り戻した。
池袋駅の夜は意外に早く、9時前に駅に戻ったのに、駅地下のお店は続々と店じまいをしている。なんだか今日はもうおしまい! という心持ちで帰路に着き、家に着くなり、ベッドに入るのもしんどくて、ぐったりとソファにもたれかかってしまった。
元気を出すには黄色が効く、というわけでもないのだけれど、本日のもうひとつのイベントだった、黄色いあの子のグッズを広げてみる。
キャラクターグッズはもう買わない! と毎年決心するのに、毎年なにかひとつ、突如として好きになってしまう……。今年はラスカル。
LINEスタンプで、かわいげのない顔をしているラスカルを使っている内に、すっかり虜になってしまった。
ほんとうはどんなキャラものでも、和食器シリーズくらいあっさりとした線に落とし込まれている方が好きなのだけれど、まあいいやと思って、黄色いものも手に取ってしまい、子の通りである。
さっそくお茶を入れてすすり、湯呑みがあると急に家は「家」らしくなるなあ、と思う。
子どもの頃、わたしは妙に熱い煎茶が好きで、でも我が家は食後は紅茶かコーヒーだったので、祖父母の家に行く度におかしいくらい熱心に食後のお茶を飲んだ。
それを面白がって、祖母は何度何度もお茶を淹れてくれたのだけれど、だから、わたしは今でも湯呑みでお茶を飲むと、近くで虫が鳴く声が聞こえる気がする。花と草とそれからよく鳴く虫に囲まれた、祖父母の小さな一軒家。
あの頃は、虫なんてちっとも怖くなかった。エアコンはあったものの、ほとんど付いてきた記憶はなく、いつも窓が開いていた。
冬はこたつを入れて、お鍋をして、そんなこんなで部屋がほてり過ぎると言っては、開けていた。こたつは年季の入ったもので、脚を入れるときゃんっと声が聞こえたりして、最後はすっかり気難しいおじいちゃんになってしまったポメラニアンが、慌てて中から這い出て来たりした。
なんだか懐かしい気持ちになって、久々にお湯を張り、どこかでもらったっきりかわいくないからと使わずにいたバブを放り込んで、お風呂に浸かることに。
眠くて肩が凝っていて、もうお風呂になんてとても入る元気がない……と思っていたのが嘘のように、上がった後はほこほこですっきりと。
眠気がやってくるまで久々に小説のページをめくって、作中の猫に名前がついたところであくびをして、連休一日目を終わりにした。