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ときどき晴れのくもり空

いつか想像してた未来と今が少し違っていたって

30 min.

休日! 完全なオフは久々で、想定外にゆったりした金曜日をいつくしむように楽しんでいる。1月忙しいのがようやく終わったよー、と思ったら、そもそも1月自体が後わずかで終わってしまう。

今年はどういう年にしよう、と考える間もなく1月が始まり、そして過ぎ去っていった。

 

それでも、目標らしきものもあるにはあって、ばたばたした中でも、ベッドに入るのを30分我慢してしていることが二つある。

一つ目は、読書。今年に入って、かなりのハイペースで読んでいて、『満願』を読んだり、今更、最初の2つだけ読んでほっていた『女のいない男たち』を読んでみたり。 

女のいない男たち

女のいない男たち

 

というのも、なぜかお正月になると毎年、わたしは、『パン屋再襲撃』が読みたくなるのだ。

どちらかというまでもなく、村上春樹氏の作品では、短編集よりずっと長編の方が好きなのだけれど、*1どうしてかこの短編集だけは、ふっと思い出して「読まなくちゃ」と思う。

薄いくたびれた文庫で、普段は玄関の本棚にさしていて、存在すら忘れていることも多々あるのに、大晦日の足音が聞こえてくると、「あの本を読まなくちゃ」とはっと思い出す。

パン屋再襲撃 (文春文庫)

パン屋再襲撃 (文春文庫)

 

たぶん、最初に読んだのが大学生のころ、実家に帰った年末、暇つぶしにと入った古本屋さんで買ってもらった、その数日後の元旦の夜だったからだと思う。

6年くらい前、まだ地方の三が日の街がごくごく静かで、スーパーも空いていなかったり、早い時間に閉まっていたりした頃の話である。

年末年始のお菓子を食べつくしてしまった祭りの後、ひとり眠れず、ひさびさに横たわるふとんの上で、ものすごくおなかが空いたなあと思いながら、わたしは深夜2時くらいに、黙々と表題作を読んでいた。

車が表を通る音も聞こえず、カーテンを開けてみても灯りも心持ちいつもより少ないみたいで、嘘みたいに静かな夜とがらんとしたおなかとセットで、くっきりと物語が刷り込まれてしまった。

それ以来、どうしようもない空腹を復習するかのように、年末年始になるとこの本を読まなくては、気がというよりも、体が済まなくなる。

ほんとうは今年は新しい本しか読まない年にしたい、と思っているくらいなのだけれど、読まないとむずむずうずうずしてしまうという本がわたしには何冊もあって、きっと今年も再読を避けては通れない。

今は『きのうの世界』を読み返したいのをこらえて、佐藤正午さんのあつぼったい新刊を読んでいる。

まだ平日にもかかわらず夜更かしをして、一気に上巻を読んだところで止まっているけれど、深夜や明け方のドーナツショップが出てくる物語が面白くないはずがない。個人的なセオリーなのだけれど、ドーナツが出てくる話で気に入らなかったためしがないので、下巻にも期待。

 

もうひとつは、スキンケアである。

昨年は夏の終わりに、ベースメイクを、ファンデーションからCCクリームに切り替えたこともあり、ついつい落とさずに疲れに任せて寝てしまう日が……何日あったのかはちょっと数えたくない。

結局肌は強いのでたとえ年の1/3そんな横着をしたって、ほぼ荒れないものの、そうは言っても、メイクを落とさずに寝てしまった翌朝の疲労感ときたら!

荒れないからと言って、肌にいいはずもないので、これはもうスキンケアを楽しくするしかないと思って、いただいた使うのが恐れ多いクリームや美容液を、最近はがんがんデイリーユースしてしまっている。

サンプル・現品あわせて、いろいろと感動したりはしているのだけれど、いつも変わらぬ感動をくれるのは、実は化粧水。

http://instagram.com/p/x_64zFr5ci/

Melvita*2のRose。正確には、フラワーブーケローズフェーストナーというものらしい。

まずバラなのに、ボトルが深い青色というのが素敵。バラは好きだけれど、毎日手に取るものがローズ色というのはちょっと気恥ずかしい、という身にはとても使いやすい綺麗なボトルである。

そして、香りがほんとに素敵!

わたしはパウダリーなバラの匂いが苦手で*3、たとえば香水などでは自分でバラをまとうことはほとんどなく、だからこそバラの香りをまとっている女性が好きなのだけれど、このバラなら深呼吸できる。というか、実際、毎朝(そしてできるだけ毎晩)している。

不思議なのは、そこはかとなく香るから大丈夫、というわけではなくて、むしろかなりしっかりバラの香りがするのに心地よいということである。

たぶん、歴代の化粧水でこんなに香りがあるのは、これがはじめて。そして、ずっと手首にも自分ではつけられないと思っていたバラなのに、顔にぱしゃぱしゃはたいても平気だなんて。

冷たいケースの中よく冷やされた、これからまさに誰かに買われようとしている、まだ少し花の閉じた、至極、清潔なバラの匂いがする。

 

http://instagram.com/p/x_7AeML5c4/

とろっとしたテクスチャで、酔っぱらって使う夜も、ねぼけて出す朝もちっともこぼれたりしないのも気に入っている。手の甲に乗せても、おいそれとはこぼれないくらい。

ぱぱっと肌になじませると、もう乳液すらいいかな、と思うくらい肌がふっくらするのだけれど、どうせ後生大事に取っておいても、使用期限が来てしまうのだし、とせっせとクリームまでつけたくなるくらいには、一日の疲れが取れてしまう。

 

昔から、なぜ大人は、そんなにもスキンケアにお金をかけるのだろう、と思っていた。単に肌が強いからというだけではなくて、だってコスメは色物の方が楽しいじゃない、と。

でも最近、ちょっとだけわかる気がする。

鏡に向かって外へ出ていくために、少しずついろんな色を乗せるメイクアップコスメにお金を使うのは、たしかに楽しいし、ときに武器を手に入れている気分になりさえする。

だけれど、メイクを全部落とした後、半分眠りに片足を突っ込んだ状態でするスキンケアは、ときどき、バスソルトを入れた熱いお風呂や、豆から入れるコーヒーと同じくらいの効用がある。ほっとするのだ。

ずっと武装状態でもテンションが持つ時期はもう過ぎて、大人にはたぶん、ひとつずつ段階を踏んで、外向けの鎧を剥いで行く時間が必要なのだろう。お化粧を落として、化粧水をつけ、乳液をつけ、クリームで蓋をし、ときにはそれらの過程の前やら後に美容液まで動員して。

http://instagram.com/p/x_66KEr5co/

とはいえ、それよりも「めんどくさい」がすぐに勝ってしまう性格なもので、どうしてもわくわくする相棒が必要であり、ここしばらくは、頼れるそいつはバラの香りのする水だということになっている。

効用とか、効果とかもあるのだろうけれど、他の多くの大人の女の人も、「疲れたもう眠りたい」と「でもひと手間かけてほわっとしたい」を日々天秤にかけていて、それが後者に触れるためのスイッチとして、スキンケアにお金をかけているんじゃないのかなあ。まあ、わたしだけかもしれないけれど。

ともかく、わたしの中の大人の定義のひとつは、「肌にお金をかける」なので、惜しみなく使い、早く次を買ってもいいのよ、と思うくらいには、わたしも大人になりつつあるみたいだ。*4

そんなこんなで毎日、後30分だけベッドに入るのを我慢して、去年より少しだけしあわせな平日を送っている。

*1:無駄にも思える描写がとても好きで、愛着の湧いてきた登場人物たちが、互いにとりとめのないことをぶつぶつ言ったり、どんな服を着て、どこへ行き、何を食べたのかを眺めるのが好きなので。

*2:オーガニックコスメ|メルヴィータ[Melvita]

*3:咳がしたくなるからという軟弱な理由。

*4:もっとも、実はこの化粧水自体は100mlで2,200円なのでそれほど高額と言うわけでもない。