秋のことはじめ
寒い。晴れているのに寒くて、ああもうだめだこれは秋だ、と白旗を上げたのは2日前のこと。
書斎の隅で眠らせていたヒーターを稼働させ、久しぶりにブレーカーのことを気にしながら、ドライヤーを使った。
8か月ぶりにつけたヒーターは、眠っていたのが嘘のようにすぐにきちんとあたたまってくれて、電化製品と言うのはほんとうにかしこい。今年の秋はじめて、ぬくぬくしながら歯磨きをした。
それにしても、寒い。
外を歩くとそうでもないのだけれど、この家は夏でもひんやりしている分、秋から冬にかけてはほんとによく冷える気がする。すぐにドアとカーテンを開け放つせいかもしれないけれど。
今は、昼間からキャンドルを灯し、最近淹れたコーヒーがすぐに冷めてしまうので、淹れたそばから慌てて胃に収めながら、久しぶりにダイニングテーブルでパソコンに向かっているところ。
子どもの頃、妹と2人で使う子ども部屋にちゃんと勉強机を持っていて、しかも子ども部屋はリビングの隣だったので、実を言うとあんまりダイニングテーブルで勉強をした覚えはない。
高校生の時にはリビングにコタツが導入されたので、そこでは受験勉強を朝方までやったものだけれども。
そして今に至るまで、家計簿と言うものをつける甲斐性もないまま大人になってしまったので、ダイニングテーブルで日常的に何か作業をするということから、とんと遠い人生だった。
にもかかわらず、こうして座ってパソコンを開いてみると、「何か作業をするにはここしかない」と思うから不思議だ。
キャンドルからはパチパチと薪がはぜるような音が聞こえていて、とてもあたたかな空気。
WoodWickというアメリカのブランドのようで、芯が木製(?)らしく、火を点けるとパチパチと音が鳴る。お店で見かけたときのひとめぼれは、こちらのリザーブジャーだったのだけれど、香りがもう少しやわらないものがよくて、普通のジャータイプに。
WoodWick(ウッドウィック) WoodWickリザーブジャー「 ドリフトウッド 」 キャンドル 85x85x115mm (W924051001)
- 出版社/メーカー: WoodWick(ウッドウィック)
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きれいなブルーにレザーのハングタグ! 写真を見ると改めてときめく。
ただ、テーマが「キャンプをしている大人の男の休日をイメージ」 されたものらしく、やはりちょっとかっこいい香りのラインナップみたい。
小さなジャーはベリー系の香りまで取り揃えられていて、かわいらしくやわらかな香りが多かった。
連れ帰ったのは、中ではユニセックスな部類であろう"Fireside"という香り。
アンバーとムスクというあたたかな香りで、灯している間の音と香りはもちろん、火を消した後に長く甘い残り香が続くことが気に入って、最近よく灯している。
キャンドルとせっけんに関しては、買うのも好きだし頂き物でもよく頂くしでどんどんたまっていく。
なのに、もったいなくてなかなか使えず、引越しのたびにしまいこみどこにやったか忘れる……というのをここ数年繰り返していたので、そろそろなんでも好きなものはどんどん使って楽しむ方向にシフトしようと。
夏のキャンドルもロマンチックだけれど、やっぱり寒い季節には炎のあたたかさがよく似合うし。
直接的にあたたかさを求めるために、先週の金曜日は、毛糸のくつしたも解禁した。
今年はパープルをベースに白が編み込まれたものを。こういうざっくりとした編地がわたしはほんとうに好きで、でも意外と風を通すので服で着るのは寒くて苦手。
さっそくこの週末は、風が吹かない室内で、ざっくりした肌触りを心行くまで楽しんでいる。毛糸にあたためられた足先はあまりに快適で、なぜ今までやせ我慢をしていたのか不思議になるくらい。
そうして少しずつ秋を楽しみ始めると俄然冬も待ち遠しくなり、玄関に置くスリッパも、クリスマスに焦がれたノルディック柄を引っ張り出してきた。
夏前から止まっていたかけ時計の電池も変え、リースを出す準備もはじめると、どんどん楽しくなってきたから、準備という行為は偉大だ。
ちなみに、暖房はとっくに解禁されている。
今年はヒーターを使ったのは11月に入ってからなので、だいぶがんばった…と思って昨年の日記を振り返ってみたら、むしろ昨年は12月半ばまで暖房をつけずにがんばっていた。
……ちょっと今付けている暖房、消そうかしらという気持ちになる。
そういう意味では、この日記はほんとうに備忘録としての意味合いが強くて、毎年そう思うからこそ、ずいぶん後からでも、クーラーをつけた日や暖房をつけた日は、何がなくとも記録しているんだと思うとちょっとおかしい。
来年のわたしのために、今年の秋は、11月4日から正式にはじめたことを記しておこうと思う。もう少し暖房は我慢してもいいよ。