ときどき晴れのくもり空

いつか想像してた未来と今が少し違っていたって

夏色ソーダ水

食べ物だけでなく、今年は飲み物も夏をはじめるのが、例年になく早い。

ある日、ヨーグルトに入れるのかと思っていたフルーツが、軒並みジャーに入って出て来たのがそのきっかけだった。

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たくさんのベリーに、甘みの強いオレンジ。

すっきりした辛口のサイダーに節度なくどぼどぼと入れて、太めのストローが添えられて出て来たジャーは、片手で持てないほど重い。

思いがけず出て来たそれを片手に、だらだらとソファーに寝っころがる休日が3月の終わりにはあったようで、振り返ってみるともう3か月も前か……と不思議な気分だ。

午前中に用事を済ませて、午後2時にはヒールで歩き回って疲れた脚をコーナーソファーに伸ばして、だらだらと海外ドラマを観るというのは、外に遊びに行きたいし、でも家でゆっくりしたいという相反する要望を一気に叶えるいちばんいいスケジュール。

この夏はそのお供に、夏らしい飲み物が追加されるなら、さらに夢のスケジュールになる。

すぐに飲み干してしまいそうなのを少し我慢して待っていると、だんだんベリーの色がソーダ水にうつり、下から順にきれいな赤に染まり始めて、ガラスの中身はどんどんトロピカルに。

だいたいわたしは夏がたいして得意でもないのに(それを言うと、冬もあまり得意ではないけれど)、夏にまつわるあれこれには、一年中焦がれて過ごしている気がする。

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これでサングリアを作ったら美味しいだろうなあ、と思いながらソーダ水をぶくぶく言わせて、翌日には実際にソーダを白ワインに変えた。ワイン自体が甘かったので、サングリアの方はとろとろと甘い出来に。

それにしても、ソファーが来て以来、その上でばかり過ごしている。

座ってお酒を飲みながら映画を観ていたら、いつのまにかうつらうつらしていて、体にはよくないとわかりつつ、そのままごろんと眠ってしまった後、目覚めてここはベッドじゃないと思うのも幸福だ。

最初は、ソファーの色が間違っていたショックを緩和するために、たくさん置き始めたクッションだけれど、今は単純にそこに埋もれているのが気持ちよくて、外せずにいる。

今週末は、映画をいくつか流した後、何かきちんと観たいなあと途中まで観て中断していた『SUITS』を再び観始めて、オフィスのシーンでやたらとみんなソファーに座るので、ますます腰を上げがたい。 

Season4に入って物語が大きく動き、自動再生が止められない面白さ。永遠に流してしまいそう。

GWに別の作品で同じような状況になったとき、「本当に見ていますか?」とTVに訊かれたので、それはさすがに避けたいのだけれど。

タイトルは『SUITS』なものの、スーツを着ていない女性陣の装いがとても素敵で、それも楽しみに見ている。膝丈のタイトというのが結局いちばんセクシーだなあ、とマイシーン目の保養に。

1話の中で全員が何度も衣装チェンジするのも楽しい。

 

たしか前回観ていたときには、残っていたベリーだけ散らして、もう少し涼しげな1杯をお供にした。

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今のブログの背景にもしているように、青と赤が混じる狭間というのが、わたしはとても好きだ。

夕暮れの一歩手前、あるいは半歩後ろかもしれない。あの昼と夜の間の空なら、ずっと眺めていられる。

たぷんと水の中に閉じ込められたような曖昧さが心地よくて、あの瞬間だけは、どこまででも歩いて行かれそうな気がする。履いているのが、たとえ8cmのピンヒールでも。

それをグラスの中に閉じ込めたような初夏のソーダ水は、ぴりりと唇に冷たく、清らかに甘い。

何かに似ているな、と思ったらそれは浴衣の配色にも近しくて、先走りして夏をはじめた今年なら、東京の人ごみの中でも、はじめて浴衣を着てみてもいいなあ、なんてことにまで、思いを馳せたり。

春らしいことがあまりできなかった分、夏っぽいことはたくさんした一年にしたいなあ。

後いくつ寝ると、7月がやってくる。