ときどき晴れのくもり空

いつか想像してた未来と今が少し違っていたって

ミステリ読めばおなかが空いて

朝からずっと外が暗くて、なんだかちっとも一日が始まった気がしないまま、おやつの時間も過ぎつつある。

昨夜は夜中におなかが空くミステリを読んだり、わたしとしては珍しく1週間以上毎日続いているゲームをやったりしていて、気づいたら4時前だった。

そのまま起きていられればよかったのだけれど、こてんとねじが切れたように眠ってしまい、次に起きたらもはや11時過ぎという失態。朝ごはんのドーナツは、うっかりお昼ごはんに。

http://instagram.com/p/uFEzlnr5ci/

はらドーナッツでいちばん好きなのは、レモンティー。吉祥寺にお店ができたばかりの頃、天気のいい日はお散歩がてら、よくドーナツを買いに出かけた。5月の平日、赤いロココのペダルを漕ぎながら眺める中道通り。

だいたい朝いちばんか、ちょうどおやつの時間に訪れ、小さな白いお店の脇に赤い自転車を止め、かごにドーナツだけのっけて家に帰る道のりの身軽さ、あるいは目の前の小さな公園で、しゃぼん玉を吹いている子供たちにまじって齧る軽やかさ。

甘酸っぱいレモンティーのグレイズは、そのまま、しあわせな5月の記憶につながる。

http://instagram.com/p/uFE2OTr5cl/

残念ながら昨日はレモンティーが売り切れていたタイミングだったので、こちらは何にまぶされていても好物なシナモンと、はらドーナッツで唯一しっかり甘いホワイトチョコ、そしていちばん「おやつ」という感じのする素朴なプレーンを買って帰った。

 

夜中におなかを鳴らしながら読んだミステリは、春先からずっと気になっていた、『タルト・タタンの夢』。衝動的に買ったはいいけれど、機を逃して読んでいない積読は増えるばかりで、そのうちの大半がこういった軽めのミステリなので、ついついどれを読んでどれがまだなのか、忘れがちになってしまう。

タルト・タタンの夢 (創元推理文庫)
 

いざ読み始めてみると、ビストロ<パ・マル>にやってくるお客さんの小さな謎を、腕利きのシェフがさくさくと解いていくというコージーミステリで、連作短編という形式も手伝い、あっという間に終わってしまった。

意外にも、よくよく考えると怖い話や、すっきりしているようでなんだかざわっとする話も多かったのだけれど、最後の『割り切れないチョコレート』の真相は、ただひたすら、とても優しい。

「おかわり!」と言いたくなるいい最終話で、ついついシリーズの続きがないのか調べてしまった。

『ヴァン・ショーをあなたに』というタイトルで、単行本ではもう続きが出ているみたいなので、単純にスペースの問題として文庫派なわたしとしては、早めの文庫化を待ちたいところ。

 

それにしても、今年はいったい、何冊本を読んだのだろう。毎年、今年こそ読んだ本をすべて記録するのだ! と思うのだけれど、ついぞ実現されたことがない。

記録したくなるような本を読もう、と思ったりもするものの、あたりもはずれも含めて、乱読するのが楽しいのであって、何かの基準を設けて本を選んだりしたくない。読んだ本だって、また何度も読み返したいし。

来年こそはきちんと読書日記をつけようかな、と思いながら、今年の残り3ヵ月は、自由気ままに乱読しようと思うと急に元気になってきて、記録するのはタイトルくらいが関の山かも、と今から既に諦めモードだったりする。