真冬のパウダー旋風
新調したものは、生活必需品のほかにもいろいろ。なかでもコスメはいろいろちょうどこのタイミングで切れて、新しいものを使い始めた。
特にベースメイク系が軒並み切れたので、するっと一新。
迷ったけれど、「新しい年に気持ちが華やかになるものを」というテーマで、パッケージがかわいいものと気持ちが上がるブランドのものを2ついっぺんにおろした。
パッケージが目にうれしいのは、こちら。
ETVOSのミネラルUVパウダー。今はベーシックなデザインのものにリニューアルされている? みたい。
いつだか書いたDiorのピンク色のお粉を使い切って以来、もっぱらリキッドやらクリームやらで肌は仕上げることが多くて、パウダーを使うことのない日々だったのだけれど、コンシーラー+下地+これだけという軽さが意外に心地いい。
こちらもピンクがかった粉なので、ほんのり肌が紅潮して見えるベールがうっすら張られる感じ。
まっしろなパフにぱきっとした黄色のリボンの持ち手がかわいくて、このハッピーな配色が見たくてついつい手に取ってしまう。
一応UVパウダーなので冬におろすのもなんだけれど……と思いながらも、今使っている下地のSPFが夏より低いのでいいかな! ということにした。
ふんわり軽い付け心地でもちがめちゃくちゃいいというわけではないけれど、落ち方がきれいなのでコンシーラーさえしっかりしておけば、なんとかなる。
とはいえ、こってりぴったり密着のジェルファンデーションを使っていた時期が長かったので、なんだかその軽さにそわそわし、今のところ休日に使うことの方が多いのも事実。
それにしても、このパッケージはすがすがしくて甘すぎず、にぎやかだけどうるさくなくて、なんだかとても気持ちにしっくりくる。
鏡の前にこのパウダーを見つけると、それだけでメイクするのがたのしくなるんだから現金だ。
そしてもうひとつ、こちらは手に取るたびに、すっと居住まいを正したくなるブランドのファンデーション。
ゲランのランジュリー・ドーボー。#01のBeige Pale。
それにしてもこの形! コンパクトに入ったファンデーションをおそらく5年ぶりくらいに使った。もっとかな? 最後に使ったパウダーファンデって、もしかして大学生のときのレブロン以来かもしれない。
仕上がり等々の好き嫌いではなく、単純に、ぜったいに下地をつけないといけないのがめんどくさくて。
クリームやリキッドの種類が増えてからはもっぱらそれでお茶を濁したりしていて、BB・CCクリームの性能が上がったら、あっという間にパウダーから離れてしまった。
でも、ひさしぶりにつかってみて思うのは、パウダーだと「大人の肌」になるなあということ。きちんとしてちょっと硬派に見えるので、シャツが着たくなる仕上がり。
そして、コンパクトを片手に肌を仕上げるのは、思っていたよりもだんぜん「お化粧ごっこ」ぽくてたのしい。
たぶん子どものころ、発表会やらお祭りやらでしてもらったメイクの記憶だろう。大人になったらわたしも毎日、おしろいというものをするんだ! とわくわくしていたときの気持ちがよみがえる。
そして、高校生の頃、こちらの香水にそれは熱心に憧れていたので、ゲランはいまだに手にすると心踊るロゴのひとつ。
ちなみに、どちらの場合も下地はこちらを使っている。
アルビオンのドレストモイスチュアシフォンプライマー。ピンク系なので、そもそもこの下地が、夏より血色の悪い秋冬の方が似合うと思う。
肌の調子がいいときはこれ1本でいけそうなくらいなのだけれど、あんまりコスパはよくないのでリピートするかは考え中。それにせっかくアルビオンに行くなら、下地不要でOKの使ってみたいファンデーションもたくさんあるし。
ところで、昨年後半は使っていたんだっけ……という肝心なことを度忘れしてしまった。
11月から12月、11月のMy Little Boxに入っていたアナスイのプロテクティブBBクリームのサンプルを使っていたのは覚えているのだけれど。
そうそう。忙しくて、写真すら取り忘れていたけれど、これがすごくよくて! ほんとうに1本でするっとすべての粗がかくれてドーリィになる。これはぜひ現品を買おう! と思っていたのだけれど、なかなか店舗へ行けず……。
春一番が吹くまではこのパウダー布陣で行こうかな、と思っている。
新しく調える
新年。どたばたしているような、それでいてゆっくりしているような奇妙なスピード感での滑り出し。
もうそろそろ元旦に大きな目標を立てることも、ぴかぴかの気持ちにするりと変わることもなくなってきたけれど、今年は考える前に動いてみることに。年も変わるし、ということで少しずついろんなものを切り替えてみた。
まずは、ちいさなものから。
昨年末、さむいさむいと叫びながらお風呂場に入ったときに、度重なる柔軟剤によって延命措置を取られていたバスタオルのそっけなさに突然寿命を感じ、ようやく新調することにした。
顔も拭く小さなタオルはけっこうなスパンで買い替える(あるいは買い足している)のに、バスタオルは学生の最後くらいから使っているものがあまりに使い勝手がよく、ずっとそれだけを使い続けていた。
こうして改めて年数を数えてみるとびっくり!
同じものを平日の枚数分持っていて、がんばって2日に1回は洗濯機を回す日々をこの5年ほど送っていたので、特に買い替える必要も買い足す必要も感じていなかったのだけれど、さすがにちょっとふわふわさがなくなってきた。
それなら新年に向けて買い換えよう! と、さすがに思ったわけである。
ただ、こういうものは、一度気になりだすと気になるもので、結局、我慢できず年末にネイビーを買い、何回か洗濯して使ってみても使い心地がよく、年が明けてからオフホワイトを買い足した。
ネイビーは写真よりぐっと深みのある色で、新鮮で素敵。このバスタオルはどれくらい使うことになるかなあ。
更に小さいものだと、ヘアゴムも新しい年用に用意したもののひとつ。
何か消耗品でお買い得なものがないかな、とかなり久々に入ったFOREVER21で、レジの近くに置いてあるのをみつけ即決。
落ち着いた色味でいろんな色が少しずつほしかったので、シャンパンゴールドからブラックへのグラデーションが2本ずつセットされたこちらはかなり理想。
これだけ入って200円くらいだったので、ファストファッションブランドってほんとうにえらい! 同じくレジを待っている途中においてあったふわふわのルームソックスも買って帰った。
それにしてもこういうベーシックなヘアゴムって、なんで減るんだろう……。
毎回なくなるのは危惧していて、ベッドサイドかお風呂場に場所を設けてちゃんと置いているはずなのに、必ずだんだんなくなっていく。
なくなってもいいか、と思えてしまうお値段ではあるのだけれど。
新調したものの最後は、日記帳である。
昨年買った3年日記はもちろん続けるつもりだけれど、ここ数年はMy Little Boxに入っている手帳を日記がわりに使うことにしていて、今年もたのしみに待っていた。
去年はすがすがしい淡さのブルー。今年はちょっと大人なツートンカラー。
日付がフリーの「タイムレスプランナー」というコンセプトで、毎週デザインが違うし書き込める内容も違うという、これまでとは趣向のちがったデザインみたい。
しっかりしたブック型なのは今年も同じで、触っているとうれしくなる。
目標らしい目標は立てないと決めていたけれど、2週目の項目に早速To Do Listがあり、いくつか明確で少し無理をすればできそうな目標も立ててみた。リストづくりってなんでこんなにたのしいのかなー。
いろんなものを新しくしながら、子どもの頃は、新年に向けていろんなものを準備していたことを思い出した。
やっぱり大掃除というイベントは偉大である。
上京してからずっとやってなかったこの年末の一大イベントに、実は今年ようやく少しだけ手を出して、そうしたら急にいろんなものを切り替えたくなってきた。何を残し、何を増やすのかはやっぱり「捨てる」という選択肢がないとなかなか見えてこない。
もっとも、わたしはSATCのサマンサたちよろしく、ソファーに座って映画を観ながら「それは残す!」「それは捨てる!」とおおむね札を出していただけだけれど。
今年は生活能力を上げる、という目標も追加で立てておいた方がよさそうだ。
HAPPY NEW YEAR 2017
2017年。あけましておめでとうございます。
だんだん西暦の数字が現実感を失っていく……大人になるってふしぎだなあ、と未だに思ってるのに、もう子どもの目で見ていた数字から遥か遠い。
去年はともかくめまぐるしくて、一年のまとめの記事も書けないまま。ただ、年末年始バタバタしていたかというと、実はそうでもないのだけれど。
なんというか、台風の目みたいに瞬間的に静かだった年末年始。
こちらでゆっくりして、でも帰省もきっちりして、今日は東京でのんびり紅茶を淹れてクッキーをかじったりしている。
ノンストップだった2016年を最後に取り返すみたいに、毎日お昼前までたっぷり寝て、そのときどきにいちばん食べたいものを食べ、ひさびさにTVもたくさん観た一週間だった。
今日も、夕ごはんにもやしをたっぷり2玉使ったジンギスカンをビールといっしょに食べながら、録画していた『笑ってはいけない』を観た。
年越しは紅白派なので、実は今までまったく観たことがなくて、でもやっぱり今年も紅白が気になって。年明けにだらだら見ようと、録っておいたのだ。ちょっと痛そうなとこは逃げつつだけれど、たのしく観ている。
松下由樹さんが出てきて『ココリコミラクルタイム』で育った年代なので、とってもテンションが上がった! 方言バトル、好きだったなー。
どうやらまだ半分も観られてないみたいなので、残りは三連休にしよう。
それにしても、すごく久しぶりにCMを見たなあ。それから番宣も! バラエティをたくさん見るのって、なんだかすごくお正月っぽい。
録画とHuluやAmazonプライムビデオでいろんなものを早回しで見た2016年だけど、こうして早送りもCMスキップもせずにだらだら見るTVって面白い。コタツはないのに、なぜかみかんが食べたくなる。
静かなお正月らしく、久々にのんびり読書も。
今年の1冊目は、『龍の館の秘密』に。
シリーズ2作目と3作目を去年買って、ずっと積読になっていたミステリ。ちなみに1作目は店頭に並んでおらず、まだ積読にすらなっていない。これは2作目の方。
巻き込まれ型だけど芯があってぶれない主人公と、中身が超江戸っ子な宝塚顔負けの美形ハンサム女子、そして世界に「お知り合い」と「お友だち」ばかりの超絶お嬢様の三人娘+隣に越してきた謎の青年が活躍する青春ミステリ。
ぱらぱらと数ページめくってみて、その甘やかな少女小説ちっくな筆致に、これはもう紅茶を淹れてクッキーをかじりながら読むならこれですね、という気がした。
凸凹女子キャラが3人出てくるお話は、どうしたってもう好きなのだ。
子どもの頃、どきどきしてミステリを読み始めたときのことを思い出す懐かしさ。そういえば、赤川次郎さんの悪魔シリーズ、新刊出てるのかなあ。
厳密には最初の1冊は、飛行機の中Kindleで読んでいた恩田陸さんの『MAZE』なのだけれど、読了はこちらの方が早かったので、今年はこちらをスタートに。
去年は珍しくあまりミステリを読まずに終わってしまった一年だったので、今年はわしわし読みたいな、と思っている。
それにしても、インスタを眺めていると、今度書こう~と思って書いてないことが既に三年前のことだったり。
やり残したことは書き残し意外にもたくさんあるけれど、でも昨年はほんとうにめまぐるしくて、無事に一年を生き抜いただけでも上等じゃないの、と言う気もしている。
そういえば上京してはじめて、ばたばたしすぎてタリーズでアイリッシュラテも飲まないまま年を越してしまった。
でもその代わり、今年の年末にはじめてしたこともたくさんあって。プラスとマイナスを繰り返しながら、プラスが勝って終わればそれでいい。今年もいい一年になりますように!
完璧なグラデーション
さて、おやすみだ!
今日は朝、すごくうれしいお知らせで目が覚めたので、とても気分がいい。
11時頃、昨晩ぐったりと倒れ込んだベッドで、起きるかどうか迷いながら開いたiPhoneの画面を見て、即起き上がることを決定。
引っ越して数日は朝ドラを観ていたのがもはや嘘のように、最近余裕のない朝が多く、めっきりTVをつける機会が減ってきたけれど、土曜日の朝だけはTBSをつける。『王様のブランチ』を観るのだ。
わかりやすく休日のテンションになる華やかさで、でもうるさくなくて好き。谷原さんになってから声のトーンも心地よくて、土曜日はTVをつけたくなる。
そして、TVから流れる「今日は久しぶりにきれいな晴れでしょう」という天気予報を聞くまでもなく、リビングにはカーテンの隙間からいつになく強気な太陽の光が差し込んでいるのだった。
たまっていた洗濯ものを回して、書斎以外のすべての部屋をきっちり片付けて、とやっていたら、玄関のピンポンが。
(上から順に)
#shortcake #cupcake #strawberry lemonade #ruby grapefruit #raspberry sorbet
注文していたstilaのリップグレイズが届いたのだ。
はいいのだけれど、開けてびっくり……!1本ずつ頼んだつもりのstilaのリップグレイズが、なんとそれぞれ2本セットだったことが判明。
セールで値段が下がってたからと、よく確認しないままポチっていたのでおどろいた……!
でも、このグロスははじめて使ったときから変わらず大好きなのに、わたしがコスメにはまった時期には既に日本撤退をしてしまっていて、海外に行ったときにしかなかなか買えずにいたものなので、まあいいかな……!
リップグレイズのいちばんいいところは、グロスのわりにしっかり発色すること。
それから、ダイヤル式になっていて、使うたびにカチカチと回す手ごたえが、秘密道具っぽくてなんだかたのしい。
10代の頃に憧れたコスメというブーストもかかって、たぶんずっといちばん好きなグロスだと思う。
とはいえ、「思っていたより少なかった」よりはもちろんいいのだけれど、ものをストックするという発想のないわたしには、ちょっとビビる数のグロスである。
たくさん使おうー。
ちなみに、今回はめずらしく、ベージュからピンクのグラデーションを購入。
これまでは、以前書いた*1#Strawberryみたいにクリアなレッドが多かったので、ちょっと新鮮なラインナップ。
YSLのティントを試して以来、俄然、ピンクの気分だったのだ。
透けるのにしっかりこれ1本で発色する赤も、やっぱり改めて見るとすごくかわいいのだけれど!
もともと5本の内、2本はプレゼントにする予定だったので、全色自分でも試せれるのはうれしい。
プレゼントする色は実際に見て選んでもらったら、予想通り、いちばん淡くてベージュに近い#shortcakeと、この中では唯一のラメ入りの#ruby grapefruiteが1本ずつ減った。
ラメ入りは特にかわいかったので、わたしも思いがけずついてきたもう1本の方を使ってみよう。たのしみ!
はじめて持つ色のグロスで、この中ではいちばん楽しみにしていた#raspberry sorbetも、思っていた通りの色味で大満足。
誰にでも似合ってかわいくなりそうなピンクは#cupcakeで、これは妹にでもあげようかなあ。
うん、今日は完璧だ。一瞬びっくりした気持ちが、ずらりと並べる内にだんだんとグラデーションのように盛り上がっていく。
というところまで書いて、AM1時に。無理をせずにベッドに入って就寝。
のんびり始まった朝から、久しぶりにバスに乗っておでかけをした午後、そしてたっぷり遊んで眠った夜……とだんだんしあわせが濃くなった1日だった。
だから土曜日って好きなんだなー、としみじみ思う久々にいい土曜日は、もちろんしあわせな日曜日を連れてくる。
5年後の不等号
続けて、那須のこと。
あまり目的のなかった那須旅行で唯一の目的らしい目的だったのが、SHOZO CAFEだった。1988とNASUの2店が栃木にあるらしく、今回は宿泊先に近いNASUの方へ。
目的とは言っても、「滞在中に行ければいいな」くらいだったのだけれど、思ったよりもするすると栃木県に入れてしまい、ナビで検索してみたら、まだ営業時間中だったので向かうことに。
那須の観光ロード(だと思う)沿いにあるので、場所はすごくわかりやすい! のだけれど、出ている看板が小さいので見落としそうになりながら、ゆるゆる駐車場へ。
日が落ちて少し寒くなってきたせいか、テラス席にはお客さんがいなかった。静かな那須の夕方。
入ってすぐにコーヒーや焼き菓子を売っている棚とショーケースがあって、それに気を取られながら、あたたかな店内へ。
何にするかしばし悩んで、「ケーキシエスタ」に。めったにこれず、どうせならケーキ(選べる)とスコーンのどちらも食べたいという旅人にはうれしい一皿。
スコーンとケーキそれぞれに、きちんと生クリームがついてくるのもうれしい。
ほろほろのスコーンも、焼きショコラのようなチョコレートケーキも、ぜんぶぜんぶおいしかったのだけれど、この生クリームが! 夢のようにおいしかった。
なんだったんだろう、あれ……。
さっぱりと清潔で、でもしっかりとこくがあって、たしかな存在感があるのに舌の上でするりと溶けて消えてしまう。
同じ生クリームが落とされたコーヒー・ラムクラシックも、それだけで甘いもの欲が満たされてしまうくらい濃厚でおいしかった。
飲み物に関しては、なんでもおいしいと思うしあわせな舌をしているので、飲み物に感動することってそんなにないのだけれど、これはほんとに一口飲んで唸ってしまった。ラムレーズン好きにはたまらない味!
あまりに好みで、ほんとうに滞在中にもう一度、これを飲むためだけに時間を捻出してこちらに立ち寄ったくらい。
恋人はシフォンケーキとウインナー珈琲を頼んでいたのだけれど、そのどちらもまた、とてもシンプルなのに贅沢な味がした。
特にウインナー珈琲は、脚の長いグラスに注がれた目にも楽しいビジュアルで出てくるので、とてもオススメ。
もしかしてアイスを頼んだっけ? と思って触れると、そのしっかりした熱さに二度驚く。
恋人は恋人で、自分のチョイスにいたく感動して、もう一度訪れたときに同じものを頼んでいた。
2回目は、晴れた日の午後早い時間帯だったので、少し待ってテラス席で1杯ずつお気に入りの飲み物を飲んで帰った。
少しの肌寒さは、自由にお借りできるブランケットで跳ね飛ばして、なんとなくここで読みたくなり、10年ぶりくらいに読み返す『こうばしい日々』を片手に、オーダーが届くのを待つ間もたのしい。
3世代でいらしている方もいて、木の中で食べるたくさんのサンドウィッチ(!)とピザトーストが、とてものびやかでおいしそうだった。
このカフェ自体はもう何年も前から知っていて、それは当時、スコーンに夢中だったからだ。こちらのスコーンは当時から有名で、いつか那須に行くついでがあったら行って見たいなあと思っていた。
実際、あたためられたスコーンは堅実でやさしい味がし、おみやげにと何個も買って帰ってきた。
でも、時を経てようやく訪れてみたら、おかわりをするものが、長年焦がれたスコーンではなく、はじめて飲んだ熱いコーヒーだったというのもまた心愉しい。
15年以上紅茶党だったわたしが、ここでコーヒーをいちばんおいしいと思うには、この5年間という期間がたしかに必要で、だんだん深くなっていく那須の夜の中で、わたしが今口にしているのは「時間」だなと思った。
フットワークが軽くありたい、というのは毎年立てる今年の目標のひとつ。
でも、もしかすると、行きたい場所にすぐ行けることだけが、しあわせなのではないのかも。
ようやくわたしも、待つことのたのしさがわかるようになってきたみたいだ。
おしゃべりな道中
久々にログインしたら、はてなブログが3年日記のような仕様になっていてびっくり。振り返るために書いている日記なので、この新機能はすごくうれしい! 早速去年の11月の日記に飛んでみたりしている。
旅だらけだった秋の旅行、たぶん第1弾だった那須の話を忘れない内に書こうと思ってずいぶん日が経ってしまった。
ちょっとずつ備忘録として書こうかな。
まだ東京はちょっと暑かったりもした夏と秋のあわい、はじめての那須に行って来た。
ばたついた夏が終わったので、ただただのんびりしたくて、でも南の島というには少し季節が進み過ぎていて、その結果、なぜか避暑地に言ってしまったふしぎな旅。
実はこの旅、ほんとうは秋田に行くはずだった。
だけどこの時期、恋人もだいぶ疲れていたようで、レンタカーの乗り捨て料金をすっかり勘違いして段取りを進めてくれていたらしく、1週間前になって海外に行けそうな値段がかかってしまうことが発覚。
急遽、飛行機代(帰りの便だけ取っていたので、痛手は痛手だけどキャンセル量はがまんできるくらいの金額)をうっちゃてでも、往復車でもしんどくない距離に行き先を変更することにした。
旅の目的は「のんびりできること」「おいしいごはんが食べられること」そして、わたしは「パン道楽ができること」、恋人は「疲れない程度に運転ができること」。
それをうまいこと満たしてくれそうな場所として、突如、那須が候補に挙がり、いろいろ調べている内にいいじゃない、となって、するすると目的地が決まった。
わたしはずっと行ってみたかったSHOZO CAFE*1があるというだけで、もうオールOKな気持ちに。
ホテルも取れないくらい直前までバタバタしていたのがけがの功名となり、考え得る限り最低限のキャンセル料で秋田を諦め、予定通り3連休の初日には、なんとかかんとか東京を出発した。
朝起きると9時過ぎ。そこからなんやかんやと本を読んだり書き物をしたりして、11時過ぎにようやく旅がスタート。
昔とちがってがつがつしたスケジュールよりも、ゆったり無理なく楽しむことの方がしあわせだと思うようになったきたなあ、とレンタカー屋さんまでの道を歩きながら思う。
ふだんの食事はわたしが作ることが多いのだけれど、遠出をするときには必ず作ってくれるお弁当を持って、車に乗り込む。
たこさんウインナーは子どものときにはほとんど食べなかったので、大人になって居酒屋で覚えた味。でも「なつかしい」と思うのだから人の味覚って適当だ。
エリンギやオクラやポテトを巻いたベーコンやら、卵焼きやら、甘いタレのかかったミートボールやらは心底懐かしい味で、さっそく渋滞に巻き込まれながらもぐもぐと助手席で食べる。
秋の空にお弁当というのはよく似合う。
朝いっしょににぎったおかかのおにぎりは笑ってしまうほどたくさんあって、すぐには食べきれずに、那須までの道のりで時間をかけてのんびりとたいらげた。
渋滞は一瞬だった。
高速に入った後は快適で、途中のサービスエリアでどこに止まるかを吟味する間もなく、いくつかを通り過ぎていく。
ようやく止まったところで、ふらふらと歩いてストレッチをし、スターバックスによって限定のフラペチーノを買って、再び車を飛ばした。
こうしてふりかえると、まだあたたかったんだなあ……。なんのためらいもなくフラペチーノを選んでいる。
フレーバー自体も、トロピカルでどちらかというと夏っぽい味だった。ごろんごろん入った桃と、ネクターみたいに甘いジェリー。
もともと移動が好きなので、旅はこうして目的地に向かっているときがいちばん好きかもしれない。
今回みたいに急がなくていい旅は、なおさら。
ところで、なぜか車に乗ると、いつもどんなにがんばっても寝てしまうのだけれど、この日はばっちり最初から最後まで起きていた。
夏の間、忙しくてほぼ必要事項以外の会話をしていなかったので、しゃべることが山ほどあったせいかもしれない。
この夏話損ねたことをすべてしゃべりながら、カーナビの目的地到着手段を無視して、ゆったりとゴール地点へ向かった。
うるおう
めまぐるしく11月が終わっていく。毎年のことながら、9月以降のノンストップ感はすごいなー。ぐうぐうとよく睡眠だけはとって、なんとか生き延びている3か月。
わたしにしては珍しくいろいろと旅行もして、それがばたばたに拍車をかけている。
東京にも早々と初雪が降ったということで、正式にダウンもおろしたりした11月の終わり。
今年のダウンはどうせなら防寒に特化したものを、と日和らずにしっかりしたロング丈にした。色も暗い色で、自分でこんなダークトーンのものを買うのははじめて。これまでダウンは白ばっかりだったので新鮮!
ばたばたしている分、家にいられる日はだらだらしていて、いろんな場所にヒーターを持ち歩いては部屋を堪能している。
最近、家で過ごすときに、めがねよりもかかせないのはヘアクリップ。
グレーとピンクの配色が好きで、数少ないピンク色の洋服を着るときは必ずグレーを合わせるのだけれど、これはそれぞれの色味もどんぴしゃで、10代向けのお店で見つけたのに思わず購入した。
ふだん他のものではほとんど選ばないのに、ヘアアクセとなると、俄然ちょっともたつくリボンモチーフがすごくかわいく見えて不思議。
久しぶりにがんばって前髪を伸ばしているので、家ではがまんできずにこれですぐにポンパドールにしてしまう。
クリップ部分がかなりしっかりしているので、髪が逃げたり、まとめた後ずり落ちたりして来ることもなく、すごく快適!
本を読んだりPCに向かったりと俯く姿勢で過ごすことが多いと、前髪は流しておくよりまとめてあげてしまう方が、視界がすっきりしてしあわせだ。
視界が遮られるのががまんできなくて、だいたいすぐに切ってしまうのだけれど、今回はもうちょっとがんばれそう。
それにしても、世の女の人はどうやって斜め前髪で、いつも傾かずに前を見ているのかなあ。わたしには無理だ。
ちゃんとブローしたり、いっそカーラーやヘアアイロンを使うべきなのだろうけど。毎朝はできないよー。
家でこの秋よく使ったものは他にもある。
今年はきちんと家にいるときにも唇を保湿するべくがんばっていて、そのお供はKiehl'sのリップバーム。クランベリーの香りが秋っぽくて、気に入っている。
真っ平で固い素材の出し口なので、一度指にとって唇になじませるのが個人的には好き。そのままぐりぐりつけるとちょっと痛いかな……というときがあるので。
バーム型のリップを使い始めると「今年も寒い時期がやってきたなあ」と思う、秋冬の風物詩。
もうひとつはぜんぜん秋でも冬でもなくて、今年の夏のMy Little Boxに入っていた「SUMMER LIPS」。
色つきリップなので、使用感はとっても軽くて、色味も透ける感じの軽さ。
クリアでぱきっと明るいコーラルオレンジがかわいくて、すっぴんに眉だけ画いてこのリップを塗れば健康的な表情になるので、半分引き篭もりの、近くに出るだけの日にはよくつけている。
白地に明るい色のフラミンゴがデザインされたパッケージもハイテンションで好き。まあ、とっても夏っぽくはあるのだけれど。
歴代のMy Little Boxに入っていたリップものの中でも、いちばん使いやすくて好きかもしれない! 一度塗ると「いいな」と再確認して、わりにこまめに塗り直している。
そして、色つきリップとは少し違うけれど、本格的な冬に向けて、Diorのリップグロウを買ったので届くのが楽しみ!
家の中でも唇がつやつやしていると、なんだか美人になったようで随分気分がいいものだということを、久々に思い出した。
高校生の頃は、ほんとうに色つきリップが好きだったなあ。細身でするすると伸びる、こんな感じで柄の入ったパッケージのクリアな赤のやつが好きで、何本もリピートしたことを覚えている。
あれ、どこのなんてやつだったんだろう。
そういうふうに、一時期はあんなに親しかったのにもう名前すら主出せないものというのは、たくさんある。
冬の代名詞であるポルテを食べながら、そんなことを考えた。
ほんとうにおいしくて好きなのだけれど、一年の内、限られた時期にしか食べられない、毎年冬にだけ親しくなる特別なチョコレート。
そういう風に「特別」な方が、やっぱり人は忘れないのかもしれない。いつもそこにあるものは、名前を意識する必要もない気がして、そうして数年後にはわからなくなってしまう。
いつもそこにあるものを忘れないように、わたしは日々を書き留めているのかも。飛び飛びで、散漫ではあるけれど。
今あふれている何かに、たしかな名前をつけるために。