乾燥とは縁のない人生だったのに、今年はなんだか乾いている。 それが不思議なことに、右手の甲と唇だけで、たとえば左手の甲だって既にもう感想の気配もない。 あまりに局所的で、理由がよくわからないまま、乾燥したのを放っておくのもいやで、珍しくこま…
雨の土曜日。がちゃりと玄関で鍵の開く音がして起き上がると、朝ごはんを手にした恋人が、リビングをぱたぱたと片付けていた。朝の9時。 昨夜は遅かったせいで、なんだかまだまだ寝たりない気持ちのわたしとは違い、忙しく立ち働く手足からは、既に外の匂い…
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