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ときどき晴れのくもり空

いつか想像してた未来と今が少し違っていたって

All That Jazz!

murmur life play

2014年に復活したことと言えば、自分でチケットを取って観に行くお芝居も、そのひとつ。特に後半は、ちょこちょこと行ったことのない劇場にも、足を運んだ。

書こう書こうと思っている内に、舞台の方が千秋楽を迎えてしまったのは、11月に観た『CHICAGO*1レニー・ゼルウィガーがキュートだった映画を数回観たくらいで、うろ覚えのまま劇場へ。

http://instagram.com/p/vx4v9rr5bz/

宝塚OG版ということで、女性だらけの『CHICAGO』。広告や公式サイトを見ると、現役時代、男役の時に好きだった方が軒並み色っぽいドレスで、なんだかそわそわする。*2

秋のTV音楽特番で何度か宣伝を兼ねてパフォーマンスされているのを見て、ぼんやり観たいなあと思っていたくらいだったのだけれど、ひょんなことから関西に訪れる機会があり、「梅芸ならまだ取れる」ということでえいやっと1枚チケットを購入してみた。

取ったそばから、浮き足立ってくるのがわかる。だって、梅芸で観るのがはじめてならば、東京以外でひとりで劇場に行くのも、はじめてなのだった。はじめてすることと言うのはいつだって、地上から5mmくらい体が浮いた気持ちになる。

 

大阪へは、するすると新幹線で向かった。よく晴れた気持ちいい朝で、ブラウスにフレアスカートという、ちょっときちんとした格好に羽織ったジャケットを、歩きながら脱いでもちょうどいいくらい、風のない凪いだ天気。

旅に出るときは楽ちんな靴で行くことにしているのだけれど、新幹線で日帰りでとなると、旅と言うよりは、少しだけ遠出をする日常の延長、という感じがする。靴も日常仕様で、太いヒールのショートブーツではなく、少し造りの華奢なブーティを履いた。

他の場所へは、学生のころに高速バスで行ったり、働き出してから飛行機で行ったりといろんな手段で行っているのに、大阪へはそういえばいつも新幹線で行く。バスには遠いし、飛行機で行くには近いしで、必然的に選択肢が狭まるのかもしれない。

静かに品川を離れる新幹線の中で、駅で買ったベーコンエピを食べつつ、本棚に数か月差しっぱなしになっていた文庫をめくっていると、あっという間に新大阪が近づいてくる。

 

何個か用事を済ませて、梅田の街に到着したのは、『CHICAGO』開演ぎりぎりの17時半少し前だった。

「梅芸へ」とお願いをすると、タクシーの運転手さんが、「半までですよね?」とかなり頑張って飛ばしてくれたおかげで、なんとか滑り込み階段を駆け上がる。

http://instagram.com/p/vx4tSnr5bu/

ロビーにはずらりと役代わりの方全員のスタンディがあったけれど、それに気づいたのは、だから幕間である。

わたしが観られたのは、麻路さきさん&湖月わたるさん&大和悠河の回。現役時代に拝見したことがあるのは大和さんだけだけれど、ちっとも男役時代を思い出せなかった。

映画ではレニー・ゼルウィガーが演じていたロキシー・ハート役。どこからどう見ても綺麗なお姉さんだった……。ともかく顔の小さいこと!

逆に、湖月さんはものすごく押し出しの良いヴァルマで、男役のときにも生で観てみたかったなあ、と。メインキャスト3人の中では唯一の男役(?)の麻路さんの声も、とても素敵だった。

とはいえ、いちばんキュートだったのは、ロキシーのダメな旦那役であるエイモスのテーマ曲。オーケストラに伴奏を却下されるくだりから、最後のお辞儀から、くせものだらけの舞台の上で、くたびれたテディベアのようにキュートだった。

 

そんな感じでオーケストラと演者の絡みも含めて、非常に小粋でスピード感のある舞台だった。最近長い舞台を見過ぎていたせいもあり、あっという間に終わってしまった感がある。

わたしは音楽はよくわからないのが残念なのだけれど、はじめて生演奏で聴くジャズは、とても心地よくて、生でいい音楽を聴けると言うだけでも、大阪までやってきてよかったなあと満ち足りた夜になった。

http://instagram.com/p/vx4l-eL5be/

チケットを確認する際に、「どうぞ」と来年のカレンダーまでノベルティでもらって、幕間にはレディーボーデンのストロベリーをかじり、ぐるりとロビーを探索して写真も撮り、はじめての梅芸は、なかなか楽しかった。

最後は道に迷い、またまた新幹線の時間ぎりぎりになり、タクシーのお世話になったりしたけれど、そんなドタバタも含めてわくわくする日帰りの旅になった。

 

終電3つ前の東京行きの新幹線は、スーツの人がぱらぱらといるものの、おおかたは、遊び疲れてくったりとした家族連れで、わたしの隣は付き合い始めてまだ日が浅い京都帰りのカップルだった。

するすると闇の中を走り、新幹線は懐かしい東京へ近づいていく。ああ遊び足りたと満足してつく帰路は、11月ももう終わりの夜中でもほわほわと暖かい。

ひとりなので、お酒は我慢してお菓子だけ買って、日帰り新幹線の旅というのもいいものだなあと思った。新幹線の旅は、他のどの旅よりも、「正しく大人になった」という達成感がある。

実家が、新幹線では帰れないので、「何もないけど帰ってみる」という使い方をしたことがないせいかもしれない。何か理由がないと乗らないなと思っていたけれど、来年はこんな風に、もっとふらっと乗ってみたいな、という気がしている。もっと遊ぼう!

*1:CHICAGO THE MUSICAL - ブロードウェイミュージカル シカゴ

*2:誘われれば行くというくらいのライトさなので、舞台の上のびしっと男役な姿しか知らない分、よけいギャップが大きいのかも。