ときどき晴れのくもり空

いつか想像してた未来と今が少し違っていたって

7年前の夏への扉

6月の最後の日は、品川へ。

この日の品川には思い出があるので、ここ数年、できるだけ仕事をさくっと切り上げてこの街へ行くことにしている。

今年も上手い具合に都合がついたのをいいことに、早々と残業をやめて電車に乗った。結果、むしろ、ちょっと早めに出てしまい、合流の連絡がかかるまで、まだまだだいぶ時間がかかりそう…ということで、軽く腹ごしらえをすることに。

 

というわけで、三田へ。ちょうど金曜日だったせいか、20時を超えたオフィス街よりの駅は出口を出てもなんだかひっそりしている。あ、今から思うと、あの日はプレミアムフライデーだったから?

駅構内で結構歩き、なんとかA9出口から出て、不安になるような人通りの少ない大通りを渡る。その後は、どんどんどんどん路地に入っていく道順。

小さな洋食屋さんで何かの会が催されているのを見たり、なんだかとってもふしぎな雰囲気のバー(?)を横目に見たりしながら、ともかくずんずん歩くと急に明るい看板が見えて、見上げると2Fに探していたお店があった。

MUNCH'S BURGER SHACKというハンバーガーショップ。

https://www.instagram.com/p/BWCRO6ggDHY/

お店はとてもカジュアルな雰囲気で、昼間みたいに明るい。ぱきっと何もかもが照らされているので、ちょっと目がしばしばするくらい。

すごーくポップコーンシュリンプが食べたかったのだけれど、この後、たぶんお酒を飲むだろうしそのときにも何かつまむだろうなと理性を働かせて、ハンバーガーだけをオーダー。

マッシュルームバーガーと最後まで迷って、初志貫徹でベーコンチーズバーガーにした。久しぶりに食べるグルメバーガー。お値段もなかなかセレブ。

でもたしかにおいしかったー。

ハンバーガーを食べているというよりはステーキサンドを食べているみたいにお肉に存在感があるのがふしぎ。付け合せのポテトが少なく見えるし実際少ないのだけれど、ハンバーガー自体がともかく食べごたえがあるので、個人的にはこれくらいでちょうどよかった。

 

おなかがいっぱいになったので、その後はご機嫌でまた電車に乗って、少し早いかなと思いつつ、品川へ。

この時計を見ると品川だなあと思うので、はじめて写真も撮ってみた。

https://www.instagram.com/p/BWCRAgagQed/

これ、古典的なミステリだといかにもアリバイトリックに使わせそうな行為だな、なんて思いながら。

品川駅には人がたくさんいて、安心する。人が通っては去っていく駅。

明日から7月だというわくわくと、2017年の上半期が終わっていくということへのほんの少しの焦燥感とを持て余しながら、ぷらぷらとアトレで時間をつぶしていたら連絡が来て、高輪口へ。

数年前と同じ場所で待っていた横顔に声をかけ、もうだいぶ飲んだ相手と、小腹を満たしてしまったわたしとの落としどころとして、やけにぴかぴかと目についたアンナミラーズでパイを食べることにした。

そういえば、アンナミラーズに入るのははじめてだ。いまだに「東京でするはじめてなこと」がいっぱいあるなあ。

お店に辿り着いた時点でもう22時を過ぎていたというのに、明るいパイ屋さんは大盛況。しばらく待ったのだと思う。でも、喋っていたらあっという間。お互い仕事の話もしたりするのが、なんだかふしぎな感じ。

https://www.instagram.com/p/BWCRKByAero/

パイとカフェオレを少しずつ胃に収めながら、この数年間の答え合わせをするように、まっすぐ向き合って話していた。

2年前くらいまでは正確な年数を思い浮かべながら「この数年」と言っていたけれど、今年は頭の中に正解がないまま「この数年」と思っている。それだけの月日、と考えるとますますくらくらしてしまう。

エスカレーターではなく、エレベーターを使って、上から下への移動をしながら思う。この数年間、いつもここから、夏が始まっている。

人生のいろんなことが加速度的に好転し始めたのも、この街で6月を終えて7月が生まれるのを見た朝だったなあ、と思う。飛行機に遅れそうで、真っ白い朝の中をヒールで走った。

ホリデイといえばやっぱり夏で、だから大型の夏休みがなくなった今でも、人生の「いいこと」はぜんぶぜんぶ夏につまっていると思っている。暑いのは嫌だけれど、季節はずっと夏であってほしいくらい。

この街のエレベーターには、7年前から、わたしの夏への扉があるみたいだ。