くじらのいる公園
8時に東京を出発して、式根島に着いたときは11時ごろ。とにもかくにもおなかが空いた! ということで、まずは朝ごはんを調達しにいくことに。
朝はパン派なので、あげぱんが売っているという池村商店さんをめざして進む。中学校と小学校の近くらしいとだけ調べ、とりあえずそのあたりに向かって。
地図を見ながらとはいえ、とても雑な歩き方だったのだけれど、なんとなく曲がるべき角で曲がり、あとは道なりに進むと、するするお店の場所まで辿り着いた。
港からお店までの道は、わたしたち以外誰も歩いてなくて、車も自転車もほとんど通らず、ただただこぼれるような緑が続く。
そんなずいぶん静かな道がお店があるあたりで急に開けて、郵便局や学校が見えてくる。
既にお客さんがちらほらいる店内の奥へ進み、3種類あるあげぱんの中でシナモンを。
実は給食であげぱんというものを食べた記憶がない(あるのかもしれない)ので、体感的には、ほぼ人生初あげぱん。
これが、けっこうなサイズでびっくり!
中になにかが挟まれているわけでもないのに、パン自体がもちもちしていて、なんだかプレッツエルの更にもっちりした版みたいなものなのね。たっぷりまぶされたシナモンもおいしく、ぺろり。
ほかにも焼きたてのパンや、アカイカの焼きそばなんかもあっておいしそうだった!
あげぱんを齧りながら郵便局の横を曲がると、右手に小学校、少し歩くと左手に中学校が見えてきて、なんだかほんとうにとってもとってものどかな気分。
郵便局のあたりには人がいたのだけれど、中学校を超えると、また緑と太陽だけの道に戻る。
こぼれるような緑があるせいか、風が適度にあるせいか、太陽はしっかり出ているのにそんなに暑くなくて意外に歩けるものだなあ、と。
おなかがいっぱいになったので、とりあえず海が見たいという欲求を満たすべく、がんがん歩いていたら歩き過ぎて、高台に出てしまった。
小の口公園という公園なのだけれど、突如大きな公園が出現してまずびっくりし、その隅にはかなりのサイズのくじらが寝転んでいて、二度びっくり。
小学一年生のとき、国語の授業で『くじらぐも』という話をやったことを思い出した。あの物語を習ってからしばらくは、校庭でやる体育の準備体操で空を見上げるのがたのしみだったっけ。
奥にはかんたんなアスレチック遊具や、東屋もある。
子どものころ大好きで、どこの公園に行っても混んでて順番待ちだったターザンロープ(?)が、ただ風にゆらゆらと揺れていて、なんだか人が消えてしまったみたいに静かな公園だ。
こんなところで子どものころGWに遊べたら天国だろうなあ……。
きれいに整えられた花壇も美しく、ここでおべんとうを食べるのもしあわせだと思う。
もちろん、この公園からも海が見える。
ずっと内陸を歩いていたので、港を離れて以来、久々に見る海! どこまでもどこまでも青い。
こちらの海は砂浜ではなく、どうやら下に降りると釣り場がある(?)らしく。
降りられそうな階段も急だったので上から眺めるだけ眺め、港から30分弱ほぼずっと歩きっぱなしだったので、東屋に座って船の中で買っていたお茶を飲んで一休みした。
あまりにのどかで、こちらでしばらくぼーっとしてもよかったのだけれど、海は海でも砂浜のある海をより強く求めているので、少しだけ休んでまた歩き出す。
そろそろビールも飲みたかったし!
というわけで、海を見ながら乾杯をするべく、民宿街に寄ってから石白川海岸に向かうことに。