ときどき晴れのくもり空

いつか想像してた未来と今が少し違っていたって

お祭り騒ぎを少しだけ

先日。忙しくても、ぜったいに行く。そう決めている劇団のお芝居へ。先日と言いながら、だいぶ前のことになってしまった。

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『五右衛門vs轟天*1。劇場へ行く道は、いつでも心躍り、ふわふわと浮かれた足取りで進むのだけれど、赤坂ACTシアターへの道のりが、未だにいちばんテンションが上がる。

その原点ともなっている『五右衛門ロック』シリーズの歴代メンバーも出てくる、劇団新感線35周年記念公演へ。

お祭り騒ぎのヒーローショーで、ラストシーンはそう来るのですか! と思わず笑ってしまった。ヒーローショーとしては、あのラストは大正解なのかもしれない。

もともと出ていない方のキャラは諦めがついたけれど、バルバネグロが大好きなので、橋本じゅんさんには、ぜひ一人二役を一瞬でもいいから見せていただきたかったというのがひとつだけ、心残り。

そして、松雪泰子さんのリカちゃんはすごかったです。ほんとうにお人形のよう……。

それにしても、赤坂で『五右衛門ロック』を体中に浴びるように聴くというしあわせに、再びめぐり合える日は来るのかなあ。

あの曲が流れた瞬間、ぶわあああああああああああああっと鳥肌が立って、ものすごくアドレナリンが湧いてくる。劇場を後にしながら、数時間前まではバキバキだった体の軽さに驚いたくらい。

 

気持ちが盛り上がったついでに、日を改めて、お祭り騒ぎの一環、「大☆新感線博」*2にも行ってきた。

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渋谷のPARCOは、ほとんど買い物では訪れないまま、おそらく人生でいちばん通っているショッピングビルになりつつある。普段は劇場階まで上がるエレベーターの方へ回るけれど、今回は3Fなのでエスカレーターへ。

休日だったものの、お昼時だったせいか、少し並んですぐ入場できた会場内は、ものすごい密度。

所狭しと実際に使われたお芝居の小道具が並んでいて、しかも、まるでどれもこれもただのレプリカかのように、ぽんっと丸裸で、息がかかってしまいそうな近さまで近寄れる形で、展示されている。

つい先日観たばかりの上記舞台の衣装に至っては、全員分(!)展示されていて、なんとも大盤振舞。

「つむじ風のアンヌ」の海賊衣装も一式、あんまりにも普通の顔をしてトルソーに着せられていて、なんだか不思議な気持ちだった。

あのとき、劇場に何度も脚を運んで観た衣装が、予告抜きにぽんっと目の前に現れ、さあじっくり眺めなさいとばかりに、展示されている。

「あなたが観たかったのは、この金の衣装ですか、それとも銀の小道具ですか」と訊かれて、「いやあの、わたしが想像していたのは、ふつうの格式ばった展示でして……」と、しどろもどろ答えてしまいそうな贅沢さ。

混乱したまま眺め、中の白シャツが、思っていたよりもずっと厚手の素材で、「これは暑くて大変だなあ」といまいちピントのズレた感想だけ抱いて、ふわふわと帰ってきた。もう一度行くならもっとしっかり眺めるのに……!

 

ぼうっとしたまま、それでも当初の目的はなんとか覚えていて、出口近くの物販コーナーにて、先行発売されたいた『蒼の乱』のBDを購入。

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既に何度か先週、我慢しきれずにちょこちょこ特典ディスク中心に観てしまったのだけれど、この連休でしっかり腰を据えて観るつもり。

買うならBDがよかったので、少し高いなあ……と思いつつ買ったのだけれど、『薔薇サム』のときのようなおふざけ企画はないものの、その分、『薔薇サム』には入ってなかったメイキングがとても良いので、スペシャルエディションにして大満足。

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パッケージを開けると、少しずつ角度の違う蒼真の写真が使われていて、それが凛々しくも美しい。

そうだそうだ、何が心に残っているかって、「人が決意する」ということをたくさん観た舞台だったのだ、ということを思い出した。その苦しさも、拙さも、思い切りの良さも、悲しさも、そして清々しさも。

足を運ぶたびに、「わたしは、最近、何を自分で決めたんだろう」と自問しながら、渋谷の空を見下ろしていた気がする。