あらしのまえに

雨だと、正々堂々と家にいられていいなあ、と思う。天気予報を見て、明日は一歩も出ないでいいように、とお菓子や飲み物を揃えるのも心楽しい。

昨日は色々買って、備えて帰るつもりだったのに、あまりに気持ちよく酔っぱらって、すっかり忘れたままベッドまで辿り着いてしまった。唯一、ゆめうつつでアイスだけは冷蔵庫に入れていた模様。

でも、飲み物は、土曜日に妹と物々交換したハーブティーがあったので、一安心。

自分で積極的に買うものではないけれど、もらうと嬉しいものと言うのがたしかにあって、ハーブティーというのも、その一種だなあと思う。

妹も嵐に備えて巣作りをするタイプで、昨日はわざわざわたしのところまで、雑誌を調達にやってきた。雑誌に関しては、読むのは好きだし捨てるのはしのびないし、でもそんなことをしてると部屋は雑誌だらけになるので、読んだ翌日にはあげてもいいと思っている。

ほんとうは毎月あげるよ、と言う協定なのだけれど、なんやかんやばたばたしていて、数ヶ月ぶりになった。

別に特に見返りは求めていないにもかかわらず、なんのかんので、妹からは代わりにチョコレートや紅茶やらが戻ってくる。

かすかにペパーミントの香りがして、涼やかで飲みやすいハーブティーだった。ミント味が好きになったのは、大人になってからだけれど、今ではチョコミントだっておいしいと思う味覚なのでうれしい物々交換になった。

わたしからは、雑誌のついでに、AQMWのアイシャドウとアイシャドウケースも。

ごく淡いパープルで、たぶんほとんど白っぽい色に発色するんじゃないかな、という色味。ベース代わりに使ってもらえそうな色だったので、使うべきアイシャドウが詰まっているわたしの手元よりは、ということでお嫁に出してみた。

もっといろいろ使いたいなーとは思うのだけれど、急いでいる日はSK-Ⅱに頼ってしまうし、色を使いたい日は、昨年のX'masコフレに入っていた水彩画みたいな色出しのエスティ・ローダーがあるしで、なかなか新しいものをおろすチャンスがない。

ケースはこのシングルアイシャドウが２つ入るつくりになっていて、デコラティブでかわいいのだけれど、ケースなしでも十分かわいいかも。

こういうごてっとしたかわいさは、我々姉妹よりはいっそ母の方がずっと好きなはずなので、母にあげればよかったかなと思いつつ、誰かにあげたかったのであげてしまった。

子どもの頃、嵐が来ると聞いたら大騒ぎをして、家じゅうのお菓子をかき集めた。窓の外が暗くなってくると、リビングにある大きなダイニングテーブルの下に潜り込み、びゅうびゅう外を吹く風を眺めながらお菓子を食べた。

停電もしていないのに電気を消して、毛布を持ち込んでぐるぐる巻きになり、懐中電灯を点けて本を読んだりした。

あの当時の嵐の待ち方が、私たち姉妹には今も染みついていて、だから嵐の前日にはいそいそと巣篭りの準備をしてしまう。たった10分程度だったけれど、数か月ぶりに会うにはぴったりなタイミングだった。