ときどき晴れのくもり空

いつか想像してた未来と今が少し違っていたって

毎日のベージュ

週末! 金曜日だけれど、もはや週末! 思わず「!」も多くなる。アナログで書いている日記を見返していたら、既に水曜日の段階から「!」がついていて、わたしはどうやら今週ずっと浮かれているらしい。

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先週はぐっと春めいた陽気になり、街ではもはやタイツを脱いだ人もちらほら。わたしはというと「いけないいけない」と、今年もほとんど袖を通さなかった冬服を慌てて引っ張り出してきた。

毎年数回しか着ない服というのがあって、代わりに毎週1回は袖を通す服というのもあって、だいたいこういう風に季節の狭間になると、「気に入って」なおかつ「着やすい」ものしか人は着ないのだなあと思うのだけれど、それでも懲りずに服というのは欲しくなる。着やすいものも、着にくいものも。

着やすいものはいいのだ、実際にあれば使うのだし、と思ってお財布の紐が緩くなるせいで、わたしのクローゼットの中にはやたらとベージュが多い。

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ベージュのカットソーは山ほど、ベージュのワンピースもたくさん、ベージュのパンツもいくつか、ベージュのコートもそれなりに。ほとんど白のようなサンドベージュから、茶色一歩手前のものまで、気分に応じて濃淡をストレスなく選べるほど。こんなにいるのかな! と自分でもときどき冷静に思う。

 

でも、ちゃんとそれなりに、たくさん所有している理由はあって、まずはその「ちょうどよい落ち着き感」。

基本的に、ここ数年はベーシック&シンプルに気持ちが傾いている。それで、必然的にモノトーンが多くなる。でも、モノトーンは好きだけれど、白ははっきりし過ぎているし、黒はきつくなるし、グレーは冷たそうになるし……。ということで、「落ち着いた」気分のときにはまるっとベージュに頼りすぎなせいである。

それからもうひとつ、だいたいどんな場所へでも、ベージュなら大丈夫だな、という安心感があることも大きい。

一昨年はカーディガンばかり着ていて*1、昨年は秋口に買ったレースのブラウスを、平日も休日もともかく着倒していた。裾に動きがあり、なおかつ腰骨がちょうど隠れるくらいの丈なので、そのまま着てもいいし、ウエストインもできるし、薄手のワンピースと重ねてもなじむしで、ひどいときには週2日着ていた気がする。

本格的に寒くなってからは、きちんとしたタイツとヒールと共に、スウェットのタイトスカートにあわせる相棒として活躍。レースといえばスイートになりがちだけれど、このベージュは、だいたいなんでもきちんとした印象に仕上げてくれるのでそういう意味でも重宝していた。会社にも着ていける、浮かれていないレース。

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そして、こういう地味なワンポイントにとても弱い。昨年は、「もうベージュは買わない」を買い物のテーマにしていたのだけれど、ボタンの可愛さはわたしが服を買う際にいちばん弱いポイントなので、ずるずると買ってしまった。

結果的に、このレースブラウスも、長年のベージュストックともども、晩夏~春先まで既に大活躍しているため、やっぱりベージュはいいなあという軟弱な気持ちに傾きつつある。

 

だって、ベージュは安心なのだ。

どんな場所でも浮かず、それでいてそれを防波堤にして、素の自分のままでいられる。ベージュを着ていると、「なんとなくちゃんとしている」ように見え、その下にはいているスカートが、たとえ本来は休日にしかはかないつもりだった楽ちんなスウェット地でも気づかれなかったりする。

ないと困るな、と思う。この色がこの世からなくなったら困るなあ、と思う。

のんびりと、ありのままで生きていくための相棒として、わたしは毎日ベージュを身に着けている。こんなに穏やかな色だけれど、わたしにとってはベージュのあれやこれやが、いちばんの武装服かもしれない。

*1:考えてみたら、カーディガンだけで4~5枚ベージュがある。白はひとつも持ってないのに。