2017年の夏の忘れ物
土曜日。
秋らしいとても天気のいい午後、一年越しで去年の夏に読みさしたままだった本を読み終えた。
横浜で時間を持て余したときに読み始めた本で、熱いコーヒーと、フォトジェニックなフォンダンショコラを待つ間に、2章だけ読んでなんとなく続きを読めずにいた本。
フォンダンショコラは、みなとみらいのチョコレート専門店でVANILLABEANS*1というお店のもの。暑い日だったので、ソフトクリームやショコラッテとも迷ったのだけれど、あまりに綺麗な見た目に惹かれて、初志貫徹で注文を。
上には濃厚なアイスクリームがおっきなスクープで乗っているので、冷たいもの欲も楽しめて、結果的に大満足。
もちろん、ナイフでフォンダショコラ部分を割ると、とろっと温かいチョコレートが溢れてくるので、動画で撮りたくなること必至。
これ、温めずに食べてもチョコがみちみちっとしてて相当おいしいんだろうなあ……と思いながら、とろとろのチョコレートにアイスを絡めながら食べた。
まわりに散らされたフランボワーズとピスタチオも、かわいいだけじゃなくて、とてもおいしい。
コーヒーがあればもちろんよりしあわせ。でも、この一皿だけで、温かいも冷たいも甘いもすっぱいもあるので、完全にしあわせになれる。
海の気配を感じながら読んでいた本は、まったく海には関係のない、どちらかというと無機質な匂いのするこちら。まだ読んでいない森博嗣さんの作品を見つけてうれしくなって買って、すぐの週末に持って出かけた。
銀河不動産の超越 Transcendence of Ginga Estate Agency (講談社文庫)
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 講談社
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そういえば、去年の夏は再読も含めて、森作品をひたすら読んでたなぁ、と懐かしく思い出す。
夜の約束まで2時間程度ぽっかりと空いた時間で、チェーンではないお店でコーヒーが飲みたくて、ぐるりと歩いて見つけたお店で、硬質なのにのんびりとした小説を読みながら、穏やかなひとときを過ごした。
お店の真ん中の大きなテーブルで、それぞれ一人の時間を過ごしているお客さんの一員として。
その時間がなんだかしあわせ過ぎて、帰ってからはまったく続きを読む気になれず、そのまま一年という時が経っていた。
今日はお昼外に出て「ああ、もうまったく完全に2018年の夏は終わってしまったんだなぁ」と思ったら、急に去年の夏に置き忘れたこの本を読みたくなった。ふしぎ。
主人公の男の子が、いい家に住んでるんだよなぁ、ということ以外すっかり忘れていたので、急展開に後半びっくりしつつ、ようやく読了。
夏は終わった、なんてもう1か月半も前に知っていたことを、ようやく実感としてしみじみ感じながら、本棚にしまった。
それ以外にも、何度めかの『ダンス・ダンス・ダンス』(上下)や、たぶん2度めの『はだかんぼうたち』、そしておそらく3度めの『号泣する準備はできていた』など、するすると本を読んだ土曜日。
新しい本は夏にいくつか読んだので、またそれは別のときに。