カーニバルな帰り道
12月最初の土曜日。早いなー。早い。早すぎる。
まあでも今週は、怒涛の秋が終わり、今年最後のこんなにのんびりした週かも、という一週間だったので、よかったことにしよう。
毎日きちんとお昼にランチを食べられて(意味がわからない書き方だけれど、下手すると夕方にランチを食べたり、ランチ抜きなこともあるので……)、晩ごはんも何度か家で食べられた。
ゴールデンタイムのTV番組をリアルタイムで見たりして。わりと悪くない秋の終わりだったと思う。
そういえば、ずいぶん前のことだけれど、今年の秋は仕事帰りにお祭りに行ったりもした。
ずいぶんと寒い日で、きっちり防寒していても震えるくらいだったのだけれど、屋台が連なっている通りに入ると、人と鉄板の熱気でぎゅうぎゅうで上着がなくてもいいほど。
それにしても、東京は新宿のど真ん中で平然とお祭りが行われていたりして、いまだに毎年おどろく。ふつうの街がとつぜんお祭り騒ぎになるのは、アニメの中に迷い込んだみたいでちょっとふしぎ。
子供のころは、キャラクターの絵がついたわたあめがほしくて、セーラームーンかちびまる子ちゃんかで妹ともめたりした。
それからキラキラしたりんご飴。飴がかかっているところ以外は(もちろん)りんごなので、飽きてしまって最後まで食べきれないのはわかっているのに、お祭りといえばどうしてもほしくなって、いつも買ってしまう。
他にも母が大好きなベビーカステラ、父が好きな海鮮の焼き物……いろいろと食べ物の思い出はあるのだけれど、いちばん覚えているのは食べられないもの。
何に使うわけでもないちいさなガラス細工の小物を、父にねだって、妹と必ずひとつずつ買ってもらっていた。透明なからだに足と鼻だけ青色のガラスでできているちいさな犬とか、ほんとうに小さなペンギンとか。
リカちゃんのペットとしてリカちゃんハウスの新メンバーになるものもあったし、消しゴムの動物たちに混ざってすましているものもあった。
大人になってからは、お祭りで買うのはもっぱら食べものに。
最近はまっているのはシャンピン。
中国風のお焼きで、ようは平たくつぶした餃子なのだけれど、たれがつけられない分、餡に味がしっかりついていて、ちょっとジャンクでとってもおいしい。
お箸を使わなくても食べられる餃子、という感じでそれがお祭りっぽくて、たのしい。最初はぷわっとやわらかくふくらんでいるのを、ぎゅっと押しつぶすお好み焼き方式で焼かれているのを見ているのも面白くて、待つのも一興。
他にもよく買うのは、蓋を締めるのもたいへんな大盛りの焼きそば、立派なたこの入ったたこ焼き。
ソースのはぜる音は、やっぱり暴力的にいい。
この間はじめて買って、びっくるするほどおいしくて、帰りにもう1個買ったのはチキンステーキ。
あまりお祭りっぽくないメニューなのでスルーしていたのだけれど、このまま食べてもおいしいし、家に持って帰って白ごはんと食べたくなるくらい、しっかりしたチキン。
その年のチョコバナナのトレンドを眺めたりするものたのしいし(これがけっこう毎年わかりやすくちがう。今年はだんぜんインスタ映え)、30分の寄り道で、煙の匂い分、元気になって帰路についた。