Feed
10月とは。しかも、あっという間に20日を過ぎてしまった。台風の週末は、家からほぼ出ずにじっと過ごして、やっといろいろ回復。
表に出て、久しぶりに20℃以上ある気候に戸惑いながら、仕事へ向かった。キンモクセイの香りにもすっかり馴染んでしまった秋の東京。そろそろ紅葉も色づくころかなあ。例年だと少なくとも11月にならないとちっとも、という感じだったけれど。
もう3週間くらい前だけれど、ずっと夏っぽかったベッドのヘッドボードも、秋仕様に衣替えした。
この冊子、もう年単位で前のものでびっくり。どういうことなんだろ。この時の流れの速さは。
ついこの間、新調した手帳を見ながら「2017年は年末ぎりぎりまで仕事だなー」と思ったのが嘘みたい。
9月の終わりにサンダルからいきなりタイツとブーツに変わったっきり、ブーツ生活がすっかり板についてしまったけど、この冊子を眺める度に明日はパンプスを履こうと思う。
でも、朝になるとついつい楽ちんなブーツに甘えてしまう日々。
今日くらいの気温が続くなら、2日に1回くらいは履いてもいいんだけどなあ。まあ、当たり前だけれど、もう決してサンダルは履けない季節になってしまった。
衣替えだって、この間した気がするけれど、もうそろそろさすがに秋冬ものを出さなきゃいけない。夏が終わったことをまだ受け止められずにいるのに。
そうそう、夏といえば、夏の終わりを惜しむように、この間、世界一悪いメロンの食べ方をした。
半分に切ったメロンにバニラアイスをのっけて。
贅沢にも、アイスはハーゲンダッツ。これはもう、ともかくめちゃくちゃに悪い味がした。お酒をかけて食べるハーゲンダッツも最高だけど、フルーツとあわせるのもまた至高だなあ。
子どもの頃、わたしはすいかが好きになれない子どもで、その分、祖父母は手土産によくメロンを持ってきてくれた。
何度もらってもうれしかったフルーツは、メロンと桃くらいだなあ。
大学生のとき、東京のフルーツは高いからとよく送ってくれていたのだけれど、なかなか一人(妹はいたけどそれほどフルーツが好きじゃない)では食べきれずに、しばらくしてから断ってしまったことを思い出す。
今ならうれしく楽しく食べ切れるのに、と思うけれど、もう祖父母は定期的に果物屋さんに行って、どっさり買い物をするような生活はしていない。
吉本ばななさんの『アムリタ』のたしか下巻に、「feed」という言葉についてはっとする文章があるのだけれど、メロンを食べるときいつもわたしはあれを思い出す。
わたしがまだ、しあわせに守られて「feed」されていたころ。
たしかに、あの日々はとっくに通り過ぎてしまったけれど。通り過ぎても、なくなりはしない。そういうことを、考える。