水曜日のバカンス
15分ほど歩くと、するりと民宿街に辿り着く。急に人やお店がたくさん出てきて(あくまで島比だけれど)ものすごくにぎやかに。
先ほどまで歩いても歩いても緑だったのが嘘みたい。
夏の似合う島らしく、カラフルな色合いの背の低い建物がぎゅっと集まっている。このあたりにきてようやく、自転車にも車にも乗っていない人とすれちがったかな。
お昼はこの通りの「おくやま」さんで売っているづけ丼を買って行こう、と思っていたので、ちょっと人通りの多さにはらはらするくらい。
お店に着いたのは12時半過ぎだったのだけれど、無事、づけ丼とまぐろのたたき丼をゲットして一安心。
それぞれおべんとうの相棒にビールを1本ずつ選び、浮かれた調子で外に出て、うっかり更に浮かれたいでたちになった。
となりにあるレンタサイクル屋の「まんぼう」さんで、ソフトクリーム!
まだ石白川海岸のすぐ近くにある「パラダイス」というかき氷屋さんはやっていなかったので、ここで浮かれた行動に出てよかったー。やっぱりおやすみなんだから、ソフトクリームを食べないと。
そろそろ太陽もかなり高くなり、暑くなっていたのでめずらしくバニラではなく、さわやかなメロンフレーバーを選んだのだけれど、見た目のシャリシャリ感よりも実際に食べるとクリーミーな味わいでほてった体に染みわたるおいしさ。
ソフトクリームを舐め終わるころにまた視界が開けて、海が広がっているのが見える。
石白河海岸だ。
砂浜に降りる階段の途中に、海を眺めながら食事ができる場所を発見、木のテーブルとイスがあるスペースで、屋根はないもののたっぷりした緑が頭上を覆っているため、腰を降ろしていてもちっとも暑くない。
というわけで、かんぱーい。
まさに水曜日のバカンスだったので、久しぶりに水曜日のネコを。このパッケージ、ほんとうにかわいい!
都会で飲むのが似合うとばかり思っていたけれど、こんな風に島でお昼ごはんといっしょに飲むのもよく似合う。
とても口あたりの軽いベルギービールで、太陽の下で飲んでいるとなんだかノンアルコールみたい。
乾杯をしたら、すぐにいそいそおべんとうを開けて。
わたしは初志貫徹で、づけ丼を。大島にも行きたかったなと思っていた最大の理由がべっこうずしだったので、これでもう大満足!
しっかり味がついているのにしょっぱすぎず、からしをつけるとちょうどいいピリッと感が生まれる。ごはんが酢飯なのも個人的にはうれしい。お酒が進む味!
島歩きで失った塩分を補いつつ、生ものなのでぱくぱくと一気に完食。明日葉のお惣菜があっさりした味だったので、いい箸休めになった。
恋人はづけがあまり得意ではないので、好物のまぐろのたたき丼を。
こちらも一口もらったら、すごーくおいしかった!
どちらもちょうどいいボリューム。帰りにもう少し何か食べ歩きできそうだなあ、という八部目な感じ。
残っていたビールもごくごく飲んで缶を開け、砂浜に降りてみることに。
喜び勇んでサンダルを脱ぎ、足首までだけでした早めの海水浴は、水がエメラルド色でともかくきれい。ちっとも写真を撮っていないことには、帰ってから気づいた。
ひんやりと冷たいけれど、ずっと歩いてあたたまっていた体には心地いいくらいの適度な冷たさ。全身使ってもたぶん泳げる温度だったんじゃないかなあ。
とても小さな海水浴場なせいか、砂浜にいる人がみんな適度なバランスを持って配置されているかなんだか箱庭みたいな海。
シュノーケルをしている人もいたので、水中アクティビティが好きなら、夢のような海かと。
真夏に来たらそれでももっと人がおおそうなので、ゆっくり海に浸るにはこれくらいの時期がいちばんいいかもしれない。
ごはんを食べて、お酒を飲んで、海に足を浸して……ともかくのんびりのんびりして。
これで旅の目的はぜんぶ達成! と言いたいところなのだけれど、島の海を堪能するべくもうひとつ海水浴場をはしごすることに。
というわけで、ぐるっと来た道を戻り、帰りの船が出る野伏港の近くにある泊海水浴場へ。