Re: 桜に間に合った一年
2年連続で同じ場所にお花見に行ったのは、学生時代以来かもしれない。
雨降りの週末の合間を塗って、晴天とはいいがたい曇り空の日に、桜を見に行ってきた。びっくりくらいするくらい人が少なくて、でも桜の方はちょうど満開で、曇天のお花見もいいもんだなあ、と。
上を見上げながら歩くのが好きで、お花見は大通り沿いをゆっくり歩きながらするのがいちばん好き。できれば道幅が広くて、屋台かお店がたくさんある通りがいい。
懐かしいお店のあそこがなくなった、ここはまだやってる、としゃべりながらゆっくり歩く。
おなかが空いていたので、大好きなお店で遅めのランチを。
以前はもっとしっかり隣の雑貨屋さんとお店が区切られていたのだけれど、昨今の流行を受けてか、ゆるやかな区切りにリニューアルされていた。
恋人は、タケノコが意外にもすごくおいしかったお花見限定のポキライスボウル。
写真では色がきれいに出ていないのだけれど、このお皿がすごくかわいかった!
こういうブルーやグレーの食器ってほんとうに好きで、ついつい買ってしまうのだけれど、さすがにそろそろ暖色のものを買い足した方がいいなと思って、となりの雑貨屋さんで探すのを我慢。
まったく同じのを売ってたのかな? 気になるのでそれだけでもチェックして帰ればよかったかも……。
わたしはハンバーガーを。パンが食べたい気分だったのだ。
BBQポークを食べやすく割いたバーガーで、もっちりとした白めのバンズもおいしかった! ものすごくジャンクなファーストフードやがっつりグルメバーガーも好きだけれどこういうちょっとおしゃれなのも、たまにはいいなあ。
かわいい器に入った新じゃがのポテトがまた、ほくほくで美味。
ランチセットにつくコーヒーを飲んで、おなかと心が満たされたところで、いちばんの桜スポットへ向かうことに。いつもよりも人通りが少ないせいで、思っていたよりもずいぶんすいすいと目的の歩道橋に着いた。
いつもよりたくさん人が乗っかっているのにぐわんぐわんと揺れるので、実はけっこうスリルがあるのだけれど、この光景が見たくて。
どちらを向いてもひたすら桜並木が続いている大通り。
この歩道橋と、そして横断歩道を渡っている数秒間が、この街の桜のベストスポットだと思う。とはいえ、横断歩道はゆっくり眺めていると危ないので、しっかりみたいときにはこちらの歩道橋で。
学生のときには、自転車道の上にちょうど桜が咲き乱れていて、登下校がいちばん桜を堪能できる時間だったなあ、と上から眺めながら懐かしく思い出した。
満足したら、下を車が通るたびに揺れる歩道橋を本来の用途通り、向こう側まで渡って降りる。
最後はお目当てのパティスリーで、紅茶とクッキーを買って帰るのだ。
近づくだけで胸の中が甘い香りでいっぱいになる、かわいらしい外観の小さなお店。去年はなかなか店内に入れなかったこちらのお店も曇天のせいか、するするとお会計まですすめた。
去年は混み過ぎて買えなかったシュークリームをひとつ買い、食べながら桜の下を駅の方まで歩く。
去年はガールズティーとクッキーの組み合わせだったので、今年は昨年の缶と並べたときに春らしい配色になるミルクティー用の茶葉に。
Deliceという木苺のジャムを使ったクッキーは恋人のお気に入りで、ふだんたいして甘いものを食べないのに、ものすごい勢いで消えて行った。
少しだけお裾分けをしてもらったら、たしかにサクサクなのにしっとりしているという不思議な食感でとてもおいしい。
その後、もう一度ランチを食べたお店に戻って、併設の雑貨屋さんで買い物を。お皿は我慢できたけれど、他のもので散財してしまった……反省!
最後に気になっていたベーカリーに行こうとしたら既にしまっていたのも含めて、行き当たりばったりさが楽しいお花見だった。
最近、あまり慣れていない街に行くことが多くて、しっかり調べて動き回る休日ばかりだったので、こういう「勝手知ったる」街を並んで歩くというのが新鮮。
今年も、桜に間に合った一年になった。