さんぽとお祭り
11月のこの時期は、いつもさんぽをしている。
過去の日記をぱらぱらっと見てみても、圧倒的に活動的なのは秋で、それはたぶん気候がいいせいというよりは、「今年が終わる前にしておきたいこと」リストにようやく真剣に向かい合う時期だからだと思う。
わたしはなんでも、スロースターターだ。そして一気集中型。
よくないよくないとは思っているのだけれど、受験生のときに直らなかったので、もう一生直る気がしない。
ということで、今週の土曜日はお祭りに行こう! と勇んで家を出て、結局あまり関係のない公園でだらだらとごはんを食べて帰ってきた。
家を出てからはじめて、お祭りが金曜日だったと知る。
ケバブを食べるつもりだったので、パンを求めてパン屋さんへ。わたしが選んだのは、はじめてのパン屋さんでも、見かけるとついつい買ってしまうラピュタパン。
黄身が絶妙な半熟で、黒こしょうが効いていておいしい。ここのラピュタパンは、縁がマヨネーズで囲われていてジャンクな味。
雨に濡れた公園は、熱心にしゃぼん玉をしている親子連れや、かけっこをしているちいさな兄弟であふれていてのびのびとにぎやか。
お父さんに見守られて繰り返し繰り返し自転車の練習をしている子がいたりして、あまりにも休日の公園らしくておもしろい。
ドッグランをしている犬たちに目を細めながら、ぱくぱくとパンを食べ、パックの紅茶を飲む。
前日、ハーゲンダッツの新フレーバーを「たしかバナナきらいだったよね?」と一口しかあげなかったせいか、恋人は珍しくバナナジュースを飲んでいる。バナナ好きのアピールのつもりらしい。
のどかな土曜日のお昼過ぎ。
とのんびりできるのも、お祭りは先日、早足で堪能したから。
人ごみでごった返す駅で待ち合わせをして、屋台だらけの道を練り歩く平日は、ちょっとふしぎ。
なにはなくとも東京カステラを買えば、わたしのお祭り欲は満たされるのだけれど、今回は晩ごはんも兼ねていたので、お祭りめいたものではなく、ふつうの串焼きや、近くのお店が出している一品料理の屋台が気になる。
ケバブと大阪焼きを食べながら、ひとしきり見て回って、焼きそばとタコ焼きという屋台メニューを戦利品に帰った。もちろん、東京カステラもきっちり購入して。
大学生のとき、よく代々木にスケートを観に行っていたとき、慌てて歩く原宿からの道なりに出ているぽつんとした東京カステラの屋台が、すごく好きだった。
スケート観戦がわたしにとってハレの日だったのは、あのほかほかの包みのせいもある、と今になって思う。焼きたてのカステラの包みを抱いて歩いていると、これはお祭りだ、という気がした。
あたため直すと翌日でもおいしく食べられるので、ちょっと多めの20個を買って買える。
昔はお祭りというと、食べる食べないは置いておいて、まずわたあめやりんごあめ、とテンションが上がるものを買い求めなければ気が済まなかった。
もちろん今も、やっぱりそういう屋台を見るとわくわくするけれど、晩ごはんを買って帰るなんて大人になったなあと思う。
こうして、今年のやりたいことリストのひとつ、「おまつりに行く」は、なんとか滑り込みセーフだ。
ほんとうはお祭りは、夏に行きたい。来年こそは夏祭りに行きたいのだけれど。
夏の間はちっとも元気が出ないのだから、こうしてずっと先送りになっているわけだ。