ときどき晴れのくもり空

いつか想像してた未来と今が少し違っていたって

靴を履く、その前に

年末年始、それぞれのセールで増えたものが、少しずつある。

中には、さっそく愛用しているものもあるし、まだタグも取らずに大事にしまってあるものも。

そんなに数をたくさん買い込んだわけではないけれど、前から欲しいと思っていたものをようやく手に入れたり、ずっと更新したいと思っていた定番を買い替えたりと、久々に満足感の高いセール体験になった。

 

その中で、一番しっかりと既に愛用しているのは、年末と言うにはまだ少し早い11月の終わりに手に入れたもので、自分で久しぶりに買ったショルダーバッグ。

日本ではパッと登場し、サッと撤退してしまった、レベッカ・ミンコフのMINI MAC

一昨年ハワイに行ったときは、レベッカ・ミンコフもマイケル・コースも、なんだかシンプルかつ辛目のテイストのものが多いなあ…と、あまりしっくり来なかったのが嘘みたいに、今は持ちやすいなあと思うデザインが多い。

https://www.instagram.com/p/_f5Lgyr5T4/

そんなこんなで、『蒼の乱』の舞台を観に行って以来の、新しいバッグ。

ということは、つまり約2年ぶり(!)だし、ショルダーを買うのはいつだろう、と思いを巡らせてみると、記憶にかろうじて引っかかってくるのは、たぶん大学生のときだ。

暑い夏休み、母と妹と訪れたアウトレットで買ったCOACHのデニム生地のもので、2015年は、デニムブームに乗っかって、数年ぶりにクローゼットの奥から引っ張り出してきたりした。

普段使っているお財布が入らないくら小ぶりのショルダーで、小さなコインケースとカードを1枚、後はリップとiPhoneを入れたら、他に何も入らない。

そんな無駄どころか余裕のないサイズ感が、当時のふわふわと身軽な大学生時代の象徴のようで、そもそも久しぶりに使ってみると、両手が空くショルダーは、たいへん快適なバッグなのだった。

というわけで、もうちょっと今の年代にしっくり来る辛口のデザインのものも欲しいなあ、と思うように。

夏以降、ずっとZARAを狙っていたのだけれど、ぽんぽんっといろんなタイミングがあって、レベッカ・ミンコフに落ち着くことになった。

 

手に入れて以来、休日のお出かけは、ほぼこれだ。帰省も、必要なものはトランクに詰め込んで、手荷物はこちらだけで帰った。

一番気に入っているのは、底のあしらいが一癖あるところ。でも、チェーン自体がかわいいのが、パッと見の印象としては大事かもしれない。

ギラギラしていないのに、くすんでいるわけでもない、とても綺麗なゴールドで、チェーンの大きさも、大き過ぎず小さすぎず、まさに「ちょうどいい」。

https://www.instagram.com/p/_f5V_dL5UQ/

肩に当たるところはチェーンではないので、この時期、ニットがダメになってしまうこともないし。

しっかりしたチェーンなので、その分、少し持ち重りはするのだけれど、軽さ重視のときは前述のデニム地のものを使えばいいし、そこは許容範囲。

使い勝手とデザイン性、どちらもしっくり来て、ちょっと近くへというときにも、少しフォーマルな外出にもついつい手が伸びる。

今使っているお財布をそのまま入れられて、iPhoneとリップ、ハンカチとキシリトールガムも余裕。加えて、文庫本1冊もするっと入るので、ちょっと遠出をするときにも安心だ。

必要なものをすべて入れた上で、文庫本が入ると言うのは、ヘビロテするバッグに求めるいちばん大事な要素なので、そこはすごく大事。

この間は、メモ帳とペン1本も詰め込んで、コーヒーを飲みに出かけた。

https://www.instagram.com/p/BAYaNNSr5f7/

お土産を仕舞って、手ぶらで帰ることができる大きなバッグも好きだけれど、小さなバッグは「休日」という感じがして、ショルダーの重みを左腰に感じながら、小さな紙袋で右手を塞ぐのも心楽しい。

 

ここ数年、アクセントになるような、パキッとした色味が入ったものを買うことが多かったので、ここまでまろやかな色のバッグを新調したのも久々。

気づけば今年は休日でも、黒やネイビーのコートばかり着ているのは、もしかしなくても、このバッグを最初に決めてコーディネートしているせいかもしれない。

一方で、一昨年まではたくさん着ていたキャメルのダッフルは、昨年末からずっとお休み状態。

バッグひとつで、いろんなことが変わって、それがすごく面白い。

実際、バッグ使いたさに、ちょっと外に出ていく回数が増えたりもした。冬なんて、できれば一歩も外に出ずに過ごしたいと思っているのに。

良い靴は、良い場所に連れて行ってくれる、と言う。

ただ、靴を履く玄関は、冬の冷え切った日、あたたかなリビングからはちょっと遠い。

そんなとき、バッグは、あたたかな部屋の片隅にあって、「どうです、使いたいでしょ?」と軽々と誘惑してくる。

フットワークの重いわたしの背中をぽんと押して、まずは、玄関まで連れ出してくれるのだ。

それがお気に入りのバッグの効力で、「だからよかったのだ」なんて、誰に訊かせる必要もない散財の言い訳を考えたりしている。