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ときどき晴れのくもり空

いつか想像してた未来と今が少し違っていたって

徒歩3分の秘密基地

秋葉原つながりで(?)先日の日記を書く。

最近、なぜだか急に秋葉に行くことが多かった。それは、まさか今壊れると思っていなかった電化製品が壊れたり、人から待ち合わせ先として指定されたりと、いろいろと突発的に用事ができたせい。

これまであまりなじみがなかった街で、自分でも、こんなに頻繁に訪れるとは思っていなかったけれど、用事に関して言えば、実はどれも秋葉原でなくてはダメ、というものではなかったのが正直なところ。

だからこそ、こうして重なるのがなんとなく運命的で面白い。

そんな中、今年最後の秋葉原(おそらく)は、唯一、用事らしい用事がなかった訪問だったにも関わらず、今年はじめて、「そこじゃないとダメな一日」になった。

 

外であんなにゆっくりとお茶を飲んだのは、数ヵ月ぶりで、まさかそれが秋葉原になるとは思わなかった。

https://www.instagram.com/p/-tfBI8r5fP/

お昼過ぎから数時間、もしかすると夕方までずっと秋葉で時間をつぶすべし、というミッション。

いろいろとお店を出たり入ったりしてもよかったのだけれど、この日は少し腰を落ち着けて作業をしたくて、秋葉原駅から3分ほど歩いたところにあるmAAch ecute*1を訪れてみた。

正確には住所は神田であり、雰囲気も何もかもが、たしかに「秋葉原」ではなく「神田」か「御茶ノ水」である。

佇まいも、入っているお店も、どれもシックで大人っぽく、そしてとても静か。

いつでも少し浮き足立っているような、まるで何かのお祭りのようなにぎやかさの秋葉原は面白いものの、落ち着いて座ると言う街よりは、圧倒的に何かに出会うべく歩き回る街なので、徒歩数分でこれだけ静謐な場所に辿り着くと、なんだかほっとする。

最寄駅は秋葉と呼べるレベルの近さで、こんな場所があると、人いきれに火照ったときにはいいクールダウンになりそう。

 

万世橋の高架橋が商業施設に生まれ変わったmAAch ecuteは、遠目から見ると、一見ただの橋。近づくとレトロな煉瓦造りの建物に、かわいい看板が規則的に出ていて、それだけでわくわくする。

https://www.instagram.com/p/-te2nxr5e6/

日曜日の午後1時という時間帯なのに、ここだけ、数分先の人だかりが嘘のように静かで、とろとろと不思議に閑静な時間が流れているみたいである。

寒い日で、びゅうびゅうと風が吹いていたけれど、近づいてみるととても造りが綺麗で、思わずぐるりと外を回ってみてしまった。

名前だけ聴いたことがあったコーヒーショップがあって、ものすごく惹かれたけれど、お店がほぼテイクアウト専門のようで、今回は断念。

どこかにゆったり腰を落ち着け、PCを開くのが主眼なので、そういうお店を探しに中に入ることにする。

 

ちょっと横浜の赤レンガ倉庫みたいだなあ、という見たまんまの感想を抱きつつ、一番端から入ってみたら、シャンデリアとグリーンがお出迎え。

そして、中はずっとぶち抜きで、こちらから向こうの端までつながっている構造なのだった。

https://www.instagram.com/p/-te0GAr5e0/

なんだかほんとうに赤レンガみたいだなあ、と思いながら進んでいくと、最初はインテリアのセレクトショップ

置いてあったお皿が可愛くて、ついつい衝動買いしそうになるのを堪えつつ、先へ進むと、そのままゆるりと暖かそうなニットを取りそろえたアパレルショップに切り替わる。

高架下をそのまま使った造りの効果で、なんだか秘密基地にきて品定めをしているような、不思議な昂揚感がある。

ちいさな美術館とか博物館の中に、こっそり忍び込んで遊んでいる感じ。人がまばらなのと、大きく取られた窓から差し込む太陽の光が、ほわんと眠たげなのがそれを増長させている。

 

更に進んでいくと、鉄道関係のグッズを集めた常設っぽいお店『LIBRARY』がある。

そこでしばらく、駅&鉄道グッズの文具のかわいさにお財布の紐をゆるめるべきか否か悩み、それを振り切ってさらに進むと、反対側の端の方に、ようやくお目当てのお店が見えてきた。

山形料理が食べられる定食屋兼カフェ、『フクモリ』*2

https://www.instagram.com/p/-te9NPL5fF/

一見、ここから入っていいのかしらんという入口から覗くと、すぐに店員さんと目が合い席に案内してもらえる。

山形牛のハンバーグがおいしそうだったものの、昨日ハンバーガーを食べたばかりなので、三元豚と野菜のスチームに、お食事セットをつけて。

休日は定食はお休みなので、ばらばらに頼む形だったけれど、平日だと¥1,000で日替わり定食があるらしく。近くだったら通うのになあ。

 

お客さんの入れ替わりは、意外にもさくさくとしている。

いっしょに入った女の子2人組が、デザートで1時間強話し込んでいたのと、家族連れがのんびりと食事をされていたの以外は、ぱっと食べてぱっと出ていくお客さんが多い。

いろんな駅の真ん中にぽかんと存在している不思議な場所で、3つくらいある最寄駅のどれもが、コーヒーとケーキで何時間もしゃべり倒すような女の子たちと、そう親しくない駅だからかもしれない。

グラス1杯だけお昼からワインやビールもサッと飲んで、お肉を食べて、酔う様子も見せずに去っていく大人の男女が多かった。

そんな中わたしはといえば、適度に広い空間と間取りで、カフェとしての居心地は非常によかったため、食後は紅茶(ポットで出てくる)とデザートを頼んで、日が傾くまで、のんびりとしてしまった。

https://www.instagram.com/p/-tfIV6L5fh/

デザートは、だだ茶豆のロールケーキ。限定という言葉に弱いのは、きっともう一生治らないのだと思う。

ケーキ自体はかなり甘さが控えめで、甘いものを食べているのに、ここまで罪悪感がないのも珍しい。山形を代表するオーガニックレストラン『アル・ケッチァーノ』のものだそう。はらドーナッツの「はらロール」を、更に清潔にした感じの味がする。

その分、添えられたホイップクリームはしっかり甘い。ブラウンシュガーの角砂糖をひとつ落とした紅茶も、とろりと甘くて濃く、合わせるとだいぶ満足感がある。

 

結局、お店の中に差し込むやわらかな光がしっかり傾くまで居座ってしまい、気になっていた作業のとっかかりはすべて終えた状態で、また人のあふれる秋葉原の駅前に戻ることができた。

その後、更に+数時間、どこかで時間をつぶすことになり、秋葉の駅前を漂流して大喧嘩をしてしまったのは、また別の話。

秋葉原で落ち着きたいときには、ちょっとだけ煉瓦のことを思い出そうと思うと、俄然、この街が身近なものに思えて、年の瀬に駆け込みでまたひとつ、東京で心やすい場所が増えた気がした。