+milk
2日続けていいお天気。
昨日、調子に乗って全部洗濯物を回してしまったので、こんなにいい天気なのに、今日は干すものが何もない。次にお休みでこんな空を見るのはいつになるだろう、という青さなのになあ。もったいない。
朝起きたら9時前で、なんやかんやしていて、昨夜眠ったのが3時過ぎだったのが嘘のように、すっきりとした目覚め。
天気のいい休日だけは、途端に目覚めがよくなる体質は、今年も変わらなかった。天候にかかわらず、休みと言えば死んだように寝ていた数年前からすると、ずいぶんと健やかになったと思う。
昨日は映画を観に行って、今日はPCと格闘しつつ、生まれてはじめてマンガ『封神演義』*1を読んでいたら、朝ごはんは疎かになってしまった。
それほどおなかが空いているというわけでもなかったので、2日連続、ブランチはシンプルに。
基本は、掌に収まるサイズのちいさな黒パンと、卵とベーコン。
昨日はスクランブルエッグにして別々に食べ、今日はラピュタトーストを作り、余ったスペースには、とろとろになった柿を添えた。
そのまま食べようとしたら、冷蔵庫に寝かしていたboccaのカチョカヴァロ*2が出て来たので、それも軽く表面だけ焼いてオーブンレンジで数10秒温め、急遽トーストの上に追加。
清潔な味がするこのチーズは、ほんとうはバーナーで炙るのがいちばんおいしい。外はかりっと焦げ目がつき、中はとろりとやわらかくなる。
残念ながら、我が家にはバーナーはないので、さっと表面だけフライパンで焼いてすべて溶け出す前に救出し、あとはレンジに任せることにしている。
分厚くスライスするので(もちろんその方がおいしい)、食べごたえはもちろんあるのだけれど、濃厚というよりはさっぱりと瑞々しい味がして、お昼前から食べても胃もたれしない。
なんだか『ハイジ』と『ラピュタ』が合体したみたいで、思いがけずたのしいブランチになった。
ところでboccaといえば、わたしがいちばん目がないのは、“のむヨーグルト”シリーズ。
はじめて飲んだのは、人生で3度目に北海道に足を踏み入れたときで、一面雪景色の中、あたたかい車の中で蓋を開けた。
単純にパッケージがかわいくて手に取ったのだけれど、これがすごくおいしくて! だから、一度飲んで以来、北海道に行くとほぼ毎回買ってしまう。
こちらは先ほどのチーズのさっぱりした感じとは真逆で、ヨーグルトドリンクとしてはたいへんもったりとしている。どちらかというと、ラッシーと呼んだ方が正確かもしれない。
甘さを足したフレーバーものだけでなく、プレーンでもほぼ酸味がないのがいちばん好ましいところ。とろとろとやわらかに喉を冷やし、あたたかい室内で飲むと、するすると頬と心が解けていく、なんだか夢のような口当たりである。
給食で培われた牛乳へのトラウマは根深く、昔から、牛乳自体はほぼ自ら進んでは摂らない。
とはいえ、昔から牛乳でできているものは、たいてい好きだ。牛乳だって、まあ冷たく冷やした新鮮なものであれば、おいしくないことはないなあと思えるくらいには、だいぶ克服したけれど。
それでも飲む気になれないのは、あまりにおいしくない牛乳を、人生の最初で強要され過ぎたからだと思う。
というわけで、食卓にミルクを置けない憂さを晴らすように、大人になってからは、ときどきちょっと奮発した乳製品を摂取している。
朝、新鮮なミルクを1杯、というのはどんなに物語の中で見かけておいしそうでも、いまだに試してみる気にはなれなくて、こうしておいしいチーズやヨーグルトがある朝ごはんというのは、わたしなりの+milkな朝ごはんだったりする。
そういえば、昨日の純粋な朝ごはんは、ポップコーンだった。
全部は食べられなかったので、おおかたを家に持ち帰り、待ち過ぎて発売日を忘れていた『よつばと!』の新刊をめくりながら食べた。
よつばが飲んでいたような、1本何百円もするミルクなら、朝から飲む気になれるかなあ……。ほんとうは、朝、食卓に新鮮なミルクがいつもある、という健やかさにずっと憧れている。
*1:ばさばさ登場人物が死ぬので、「この人を好きになりました」「この人まだ次の巻は死なない!?」という申告と確認を繰り返しながら読んでいるので、恐ろしく進みが遅い。