寝込む週末
風邪気味の週末。金曜日の夜は寒くて寒くて、体をあっためてから帰ろうと思って選んだ担担麺も、ちっともお箸が進まない始末。
いつもラーメンを食べると「餃子も食べていい?」と追加注文をするのに、いっさい餃子を欲しがる様子がないわたしに、最初はのんびりとしていた恋人も、焦り始める。
風邪ならうつってしまうなあ、と思いながら、ほぼまるっと残ったわたしの担担麺を、隣の食欲旺盛な恋人がたいらげていくのを眺めている間にも、自然と背中が丸まってしまうしんどさ。
ラーメン屋さんの向かいにあった薬局が、タッチの差で閉まってしまい、震えながら最寄駅まで帰る。幸い、最寄駅にはまだ薬を買えるお店が開いていて、ルルアタックを買ってもらって家へ急いだ。
くらくらしながら薬を飲んで、死んだように眠る。フードつきのパーカーワンピース。足首まである裏起毛素材で、首が冷えないため、ものすごくあたたかい。
夜中に何度か汗をびっしょりかいて起き、そのたびにふらふらとウォーターサーバーにすがりつき、よく冷えた水を飲んだ。
翌朝、目覚めるとだいぶすっきりとしていた。休日の常で、全部カーテンを開けてみると、いい天気。外に出かけたいなと思うくらいには、回復していた。
とはいえ、まだまだ本調子ではないので、一日寝て過ごすことに。
寝込んでいるとき、なぜか読みたくなるこの本を書斎から引き揚げ、うつらうつらしながら。
せっかくのおやすみに、ひとりで寝ているのもつまらないなあと思っていたら、顔を洗っている内に、リビングにふとんを敷いて、お泊り会方式にしてくれた。
白いリビングで、近くで炊事が行われている水音や、録り貯めていたTV番組が消化される音を聴きながら、ぱらぱらと本をめくり、そのまま眠りこむということを半日繰り返す。
家の中で、水の音がするというのは、安心なことだなあと思う。ちゃんとした誰かに家が守られている、という安心感。
夕方までほぼ、うとうとと眠りながら過ごして、晩ごはんには、リクエストしてシチューを作ってもらって食べた。
読んでいる本の最後には、悲しくもあたたかいシチューが出てくるので、家にこもっているこんな寒い夜には、なんだか無性に食べたくなる。
買ったっきり、速やかに冷凍して、ストックしていたことをうっかり忘れかけていたメゾン・カイザーのクロワッサンを焼き戻して。デザートにはマスカットをたくさん。甘くて冷たい雫が、夢のようにおいしい。
日曜日、目覚めるとだいぶ楽だった。でも、お泊り会めいたまま、リビングで眠ってしまったので、すこし背中が痛い気がする。ベッドマットのスプリングは、思っていたより偉大らしい。
ともかくお水をたくさん飲んで、なんとはなしに見始めてしまったら、当たり前のように面白かった『弱虫ペダル』を1期分ほぼぶっ通しで観て*1、久々にミステリーをさらっと読了。
- 作者: 彩坂 美月,くまおり純
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現実と「お話」が交差する様が、夢現の病み上がりの頭にしっくりきて面白かった。
晩ごはんは、生姜をたくさんすりおろした豚汁。一口ごとにからだがぽかぽかしてくる、風邪のときにはこれしかないなあ、という元気の出る一皿。
調子が良ければ、これにごはんを炊いてお漬物でも、と思うけれど、まだ本調子ではないらしく体が求めるのは汁物だけ。もう一眠りしたら、お米も食べたくなるかなあ。
だらだらとした週末も、いいのだけれど、元気がいい。
*1:どんなスポ根ものでも、先輩チームが好き……。