ときどき晴れのくもり空

いつか想像してた未来と今が少し違っていたって

それからは朝ごはんのことばかり考えて暮らした

こんなに引き篭もったのは久しぶり、というくらい徹底して家に篭もった5日間。意外にも、ものすごい達成感である。用事もおでかけも、すべて前後の週末に全部逃がしたかいがあったというもの。

連休となると、ついついもったいなくて「どこかに行かなきゃ!」と思ってしまうのだけれど、その誘惑にも負けず、珍しく初志貫徹。

ごはんも、一度だけの外食を覗いて、すべて家で食べた。といっても、全部が全部きちんとした自炊ではなく、お休みらしい手抜きも多々含めて。

 

朝ごはんは、パンが中心。「明日の朝食べよう」と買うパンほど幸福な買い物は、そうそうないと思う。とはいえ、一日目は、その上を行くしあわせな買い物を、金曜日の夕方にしていたので、そちらから。

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タルトタタンは好き、バナナタルトはもっと好き、となれば買わずにはいられない『バナナのタルトタタン』。

わたしは未だにケーキを食べること=わるいことだと思っていて、「ケーキがあるよ」というとき、ついつい小声になってしまう。内緒話か、打ち明け話をするみたいに。

そんな中、フルーツタルトは、ケーキを食べてもそんなにわるいことをしている気分にならないので、夜に食べるときに選ぶことが多いのだけれど、こうして朝の光の中で食べると、正式に朝ごはんという感じがして、それはそれで素敵。

一口もらった柿とホワイトチョコレートのチーズタルトは、あんまりホワイチョコ感がなかったものの、もうひとつのメイン、柿があまりにおいしくて帳消しに。

黄色いマグでコーヒーを飲むと、元気になるからついついつ使ってしまうのだけれど、そんなのが必要ないくらいご機嫌なお休み一食目。

 

2日目は、平日ずっと売り切れていて買えなかった、最近お気に入りのパンと卵料理という定番のもの。写真はなし。

だいぶねぼけていたらしく、自分の分のスクランブルエッグをぼそぼそにしてしまったことを覚えている。リクエストで作った目玉焼きの方は、黄身はとろりと半熟にできたので、わたしも目玉焼きにすればよかったなあ、と。

スープはお手軽に、クノールのポタージュを溶かして、飲んだ。コーンスープじゃない、じゃがいもの方が、甘さがなくて好み。

この春から作り始めて、一度絶滅(?)させ、もう一度復活したカスピ海ヨーグルトに、はちみつをかけてシナモンを振って食べる。

野菜がないので、なんとなく栄養を摂るべく、梨も切った。梨が食卓に上ると、秋だなあと思う。

 

3日目も、同じようなメニュー。

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昨日とは違う、ふわっとろっとやわらかなスクランブルエッグ、そしてわたしが焼くのとは違って軽く温めて油を落とした程度のベーコン。朝は極力使うのを避ける包丁とまな板が必要な、きゅうりとセロリのサラダ。

ほぼ同じようなメニューでも、作る人によって、細部がぜんぜん違うのが面白い。

スープも、朝からたまねぎをスライスしたらしいオニオンスープだった。

そして、この日のメインは、チーズトースト。パンは、以前、PAULで買ってきたものの、食べきれなくて冷凍していたもの。さすがに焼き戻してもおいしい……! 

前々日、買い出しに行ったスーパーで、「チーズトースト用ペースト」という謎の便利ペーストを発見して、買い物かごにうきうきと放り込んでいたので、てっきりそれを使ってみたかったのだと思って「このペースト、ふつうにチーズだね!」と驚いたら、なんとふつうのチーズだった。そりゃチーズなはずだ。

連日せっせと食べては育てて、を繰り返しているカスピ海ヨーグルトには、今日はブルーベリーハニーをかけて。ジャムよりすっぱくなくて、ブルーベリーは蜂蜜の方が好き。

 

4日目は、ちょっと趣向を変えて、麺。

最初、お素麺という案が出たのだけれど、あのあっさりとした味があまり得意でなく、正直に「あんまりうれしくないなあ」と言ってしまったら、朝からつけ麺になった。

この夏、少し「おいしいのかもしれない……!」と思える瞬間はあったものの、さすがに、まだ朝から食べるほど仲良くはなれていなかった模様。ちなみに、味の濃いつけ麺はおいしかった。どちらかというと、お昼ご飯に近い時間に、つるつるとすすった。

カーテンを開け放った窓越しの日差しは、久々に夏っぽくて、食べ終わるときには、この気温ならお素麺でもよかったかも、と思ったりして、なんだか推す麺に申し訳ない気持ちに。来年の夏はもっと仲良くなろう……。

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最終日・5日目は、再びパン食に。2日目と同じ、焦がれていたパンと、相変わらずとろとろのスクランブルエッグは変わらず、レタスとソテーしたエリンギで朝から野菜も少しだけ摂取。

スープは、再びお湯で溶かすだけのクノール。ヨーグルトも、この間のがおいしかったので、またブルーベリーハニーをたらして食べた。

 

そんなこんなで、夜はあんまりおなかが空かなかったので、連日軽め、その分、朝とお昼はしっかり取るという、ああもうそういう生活がしたかったのです……という理想の配分を日々実現できて、ずっと家にいたのにむしろ体は軽い。

昔何かのCMで、「今日食べた野菜、ラーメンの上のネギだけかも」と女の子が物憂げに呟く、というシチュエーションがあった。平日のわたしは、そのどこの何のコマーシャルだったかも忘れてしまったCMの一節を、よく思い出す。

ランチを取ったデスクで、午後1時のチャイムが鳴るのを聞いた瞬間だったり、残業して菓子パンをかじっている休憩室の窓に映る自分の姿を見た瞬間だったり、いろいろだけれど、思い出した瞬間の情けなさはいつもいっしょだ。

そういう情けなさとは無縁の5日間で、少しだけ健やかになった気分で、のんびりと幸福な休日を終えようとしている。