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ときどき晴れのくもり空

いつか想像してた未来と今が少し違っていたって

たしかに、愛はある

この日記では休日のことばかり書いていて、お休みというのはわたしがこの世でいちばん好きなものなので、できれば日記くらいは好きなもので埋め尽くしたいと思っている。

とはいえ、楽しいことがあったのが平日だからと言って書き留めないのは不公平なので、珍しく月曜日のことを書く。

 

8/4、月曜日にも関わらず、大慌てで仕事を切り上げ、武道館へ向かった。

http://instagram.com/p/rwE_o-r5aR/

就活中、それから働き始めた一年目もずっと、毎朝毎朝、電車の中で繰り返し繰り返し聴いた曲がある。

それがアンジェラ・アキさんの『たしかに』で、代表曲でも、いちばん売れた曲でも、デビュー曲でもないこの曲を、わたしはたぶんあの、どこに行っても流れていた『手紙』よりも、ずっとたくさんの回数聴いた。

あまりに聴きすぎて、今でも目を閉じれば、すぐにアートワークにしていた画像が瞼の裏に浮かぶ。 

たしかに

たしかに

 

ひとりでカラオケ店に入ることに抵抗がなくなったのは、就活をしていたときで、履歴書を書きがてら入ったカラオケで、ずっとアイドルのPVを流して、消しては書き、消しては書きを繰り返し、必ず最後に1曲だけ、この歌を歌って帰った。

ときには履歴書を送って清々しい気持ちで、ときには面接に落ちた帰りで、ほとんどやけっぱちのように。マイクも使わずに、声を枯らして歌ったこともあった。

 

最初に聴いた日のことは、はっきりと覚えている。一足先に就職活動を終えた妹が、『手紙』をとても薦めてきて、それならとアルバムを借りたのが始まりだった。

結果的に、そのアルバムに収録されていた『ファイター』『Final Destination*1、遡って聴いた『HOME』にやられ、そのタイミングでツアーが始まり、その流れで開催された一夜限りのラジオ@愛媛に、厚かましくもメールを送ったのだった。

当時、『HOME』の歌詞が心情どんぴしゃだったわたしは、よくわからないままにリクエストをし、そしてそれが採用されるというどきどきの中、ラジオを聴いていた。

まさかの「放送中に電話できませんか?」というラジオ局からのご連絡に、当時まだファンとも呼べない身分だったわたしは、たいへん恐縮し、大慌てで辞退した記憶がある。今思えば、とてももったいなかった。お話してみたかった。面白いことは言えないけど。

その時、学生の時に聴いていていいと思っていたけれど、本当は社会人のための歌で、その意味が働き出してようやくわかった気がする、というコメントと共に紹介されたのが『たしかに』だった。

聴きながら、当時、まだだいぶお気楽な学生だったわたしは、そういうものかなあとあまり思い入れなく聴いたことを覚えている。

http://instagram.com/p/rwEI_or5ZP/

はじめてLIVEに行ったのは、まだ院1年目の11月のことだったと思う。

たしか『LIFE』というアルバムのツアーで、落ち葉で金色に輝く代々木公園の端っこを歩き、NHKホールへ向かった。その次は、同じ年の武道館。どちらでも『たしかに』は登場し、どちらもスタンディングで盛り上がるための曲だった。

だから、本当にラジオで聴いた意味がわかったのは、年を越えてからのことだったと思う。さすがにお気楽さも影をひそめ、わたしは毎日何かしらの審査を受けていた。面接だったり、筆記試験だったり。

そんなに熱心に就活をした方じゃないという自覚はあるのだけれど、それでも、日々評価され続けるというのは、それなりにしんどいことだった。

 

おまけに、あの地震があった。

あの数日後、普通に朝から行われた面接に向かい、その帰り道で、なんでこんなことやってるんだろうなあ、と思いながら乗った、間引き運転の地下鉄の中で、不意に『たしかに』が耳に飛び込んできたとき、なんだろう、ようやくすとんと来たのだった。

Aメロから最後のサビの繰り返しまで、こんなに「わかる」歌はないと思った。

そのお礼参りもかねて、そしてもうひとつこれは心にしまっておくだけの「大事な理由」もあって、今年の8/4は5ヶ月前から空けておいた。

http://instagram.com/p/rwEAHtr5ZF/

門出を祝うためのラストLIVEは、笑いあり涙あり、コントあり、小芝居ありでたいへん盛りだくさんだった。

自身の大事な日本ラストLIVEで、30分くらいを優に使って、単に「宮沢りえさんがいかに好きか」ということを語り倒すあたりが、とても推せると思った。約6曲分の愛。だいぶ重い。

そして、このLIVEで知ったのは、たぶん世界でいちばん美しいiPhoneの使い方。アンコールのときのあの光景を、きっとたぶん、あの場にいた誰もが忘れないだろう。

 

何度も何度も『たしかに』を聞いて、わたしは今、あのとき希望した場所で働いている。すべてが思っていた通りではないけれど、それでもたしかに、愛はある。

一年目に比べて、この曲を聴いてからじゃないと、会社に足が向かない日もだいぶ少なくなったものの、それでもやっぱり、ほんとうに凹んだときにはこの曲じゃないとだめなのだ。

そうして年に1回くらいは、これからも単純に盛り上がる曲として、会場で聴きたいなと思っている。とはいえ、ミュージカル好きとしては、次の夢もぜひ叶えてほしく。

うん、いいLIVEでした。

*1:この歌の「才能だけじゃタンクは足りない 努力をハイオク満タンで」というのは名言だなあ、と聴くたびに思う。