ビビッドイエローの誘惑
3連休。夢のような言葉である。
先週末は2日ともよく遊び、来週も土日ともに予定が入っているので、この3連休はひたすらだらけている。
天気も悪いし! と思っていたら、最初の2日は意外にも太陽が見える時間帯の方が長くて、先週はちっとも回せなかった洗濯物を回したりした。最近は外に干すと、数時間で乾いて感動しきり。
今日も今日とて、TVでTHE ICE*1を観るくらいしか予定がないので、とてもまったりとした気持ち。天気が悪いので、今日は正々堂々おうちにこもろう。
先週末は土日どちらも、もはや夏休みかというほどよく晴れた暑い日だった。平日は雨ばかり降っていたせいか、なんだか無性に外に出たくなって、土曜日には、約1年ぶりに図書館へ出かけた。
その戦利品をこつこつと消化して、今週末が過ぎている。
以前住んでいた街では、自転車で10分くらいの距離にあり、学生だったこともあり、ひどいときにはほぼ2日に1回くらい通っていたものだけれど、働き始めて気になる本はぽんぽんと買うようになったこともあり、とんと足が遠のいていた。
はるばる区外の図書館へパンケーキを食べに行ったり*2はしていたにもかかわらず、利用目的で行ったことはなかったかもしれない。
まあ、それはひとえに返却期限というものから解放されたかったせいで、huluを使いだして以来、生活全般においてその傾向は拍車がかかっている。
それでも勤め出して3年目、少し余裕も出てきたし、2回のお休みの内どこかでは返しにいけるだろうという気持ちになって、散歩がてら久々に足を延ばした。なにより、本は読みたいけれど、これ以上家に本は増やせない。
図書館のいいところは、静かな気持ちになるところだと思う。同じ本だらけの書店で、わたしはどちらかというと逆上気味にハイになってしまうのに比べ、図書館での昂揚はとても静かなものだ。
それは前者が「こんなにたくさん読みたいものがある! 選べない!」であるのに対し、後者では「こんなにたくさん読みたいものがある! 選べばいい!」であることに起因するんじゃないかと思う。
他の人がどうなのかは訊いたことがないけれど、わたしは、常に“読みたい気分の本”というのが、わりとはっきり決まっている方なので、その時々で欲しい本が全然変わってくる。
その色々な“気分”を、それぞれきっちり満たしてくれることがわかっている本だけを手元に置いておきたいし、一方で、一瞬だけ大量に読みたい“気分”になっているだけのものは、その最中でもよくわかる。
まさに今でいえば、それは翻訳ミステリで、読書歴はもはや20年を超すけれど、わたしの中に海外ミステリを読む習慣は、残念ながら根付かずにいる*3。
でも、これが発作のように、突然読みたくなるのである。買っても数年読み返さないのがわかっているので、一番の目的としては、そのために図書館に行ったようなもの。たくさん読んでそれからお気に入りの1点を購入しよう、と。
今回選んだのは、店頭でずっと表紙が気になっていた『ミステリガール』、ちょうど読書刻だなと思って手が伸びた『午前零時のフーガ』、それからこちらはオビのあおりが記憶に残っていた『解錠師』。それからもろもろたくさん。
うっかり、同じくミステリ要素のあるTVドラマ・『Under the Dome』を見始めてしまって、少し手が止まっているけれど、返却期限までにはお気に入りを見つけられそうである。
それにしても、シンプルな表紙にシンプルなロゴ、そして三方のビビッドイエローといい、これはにくい装丁だなあ、と思う。
ひとつと言わず、ふたつみっつと、ついつい集めて本棚に並べたくなる魅力が、開く前からあるなんてお財布とスペースがもたない。
まだどれを購入するとも決めていないけれど、今から、玄関の小さな本棚にずらっと並んでいる「yomyom」の横に並べたらかわいいだろうなあ、なんて妄想が捗って仕方ない装丁である。
夏休みと言えば読書。がしがし読んで、お気に入りだけ精査しようと思っている。
戦利品を大きなバッグに詰め込み、家に帰る途中でたべたふわふわのミルクかき氷は、薄い黄緑のキウイソースがかかっていて、夏休みの始まりらしい、甘酸っぱい味がした。