色気を、縁取る
スケート女子*1の唇が、それぞれ個性的でとても素敵だったので、またリップアイテムについて書く。
平日の朝は、いつもばたばたとしている。
何度もリップアイテムが好きだ好きだと書いてきたけれど、だいたいの平日、わたしは毎日もう3分長く眠ることを選択してしまうため、家を出るときは唇はすっぴんであることの方が圧倒的に多い。
唯一、寝ぼけながら塗るとすれば、エスティローダーのピンクベージュ。
赤い口紅を探しに行ったとき*2に、なんとなくこれも、とつけてもらったら本当にきれいな使いやすい色で、いっしょに持ち帰ったもの。
後から、これがいわゆる「恋コスメ」と呼ばれているものだということを知り、なんだか納得してしまった。
そういうわけで、だいたいデスクにつく前にちゃちゃっと塗っておしまい、ということが平日の朝に関しては非常に多いため、譲っていただいたものの、ちっとも出番がないものがある。
それは、甘いお菓子の匂いがしそうな、ラデュレのリップクレヨン*3。
Lip Crayon #101 Aspasie
アプリコットベージュで、おまけにクレヨン型、ということで非常に使いやすいはずなのだけれど、どちらかというとリップライナーのような位置づけで使っているせいで、すっかり出番がない。*4
リップライナーというと、子どもの頃、お祭りでお化粧をしてもらったときの印象が強く、単語だけで、その後の筆で塗られるこっくりとした口紅の匂いや、練り歩く商店街のざわめきまでまるごとふわりと思い出す。
だからか、メイクをするようになって早8年だけれど、リップライナーは「大人のもの」だと思っていた。
でも、先日、少し余裕があった朝、いつも雑にぬっている件のエスティ・ローダーを、きちんと鏡に向かって唇にすべらせようとして、その前にそういえば、と思ってこのリップクレヨンを使ってみた。
そうして初めて、なるほど「縁取るとは……」という、その意味にようやく気付いたのだった。
ふわりと輪郭が立ち上がり、優しい色でも、いつものようにしっくりと肌になじむのではなく、唇がふっくらとして見える。 その結果、ピンクベージュという無難といってもいい色なのに、とても色っぽい唇になる。そして、なぜかとてもやわらかい素材の白いシャツを着たくなる。
相も変わらず、朝はばたばたしているので、次に、いつ色気を縁取れるかはわからないけれど、 やっぱり「大人のたしなみ」だなあ、と思う。
清潔に、やわらかに色っぽく唇を整える、あと少しの時間と気持ちの余裕が、平日の朝にも持てるようになったら、もっと出番は増えるんだろうか。「大人」になりたいなあ、早く。