ときどき晴れのくもり空

いつか想像してた未来と今が少し違っていたって

それでも、ここにいる

せっかくのお休みなのに、また冬に戻ったような天気。今日は数か月ぶりに髪をなんとかしに行き、結果的にほとんど髪の色味が変わらなくて、しょんもりしてお店を出た。

「切ってください」と「明るくしてください」は、こっちがよっぽど本気で繰り替えさえない限り、なかなか聞き届けてもらえない要望である。いまだにヘアサロンというものが苦手で困ってしまう!

あまり明るいよりはいっそ黒い方が似合うし、暗めの色が流行るなんて、きっともう数年はないことだろうから、まあもうちょっとこれくらいの色味でもいいかなあ……と思って納得したのだけれど、そろそろまた明るい色に髪を戻したいなあ、という気持ちになっていて驚いた。

 

暗めの髪に、赤い唇、洋服は白・黒・ベージュ、それからグレー。この2年くらいそういう気分が続いていたのだけれど、この春は久々にちょっと華やかな気持ちである。

でもこの数年で体になじんだベーシックも捨てがたくて、見えないところから、まずはすこし華を足してみている。

http://instagram.com/p/k2N0OYr5bK/

たぶん、女の人には多いと思うのだけれど、わたしもその例にもれず、「見えないところがかわいい」というのに非常に心くすぐられるタイプだ。できれば柄も色も、裏地にあってほしい(!)くらい。

特にピンクと花柄は、こうして隠れていると、途端にときめき指数が上がる。そういえば、数年前に買ったかっちりしたグレーのジャケットも、裏地がサーモンピンクだった。

http://instagram.com/p/k2Nyw-r5bE/

今回追加したのは、はじめて買うお店のスエードジャケット。ここ数年で、買い物をするお店もだいぶ変わったなあ、と思う。くったりとした肌触りが肌に心地よくて、薄手の服の上に羽織るのが、今から楽しみ。

季節が変わる前に新しい服を買って、次の季節が来るのを楽しみに思うのも、ずいぶん久々のことである。

 

すこし、肩の力が、抜けたのかもしれない。この2年は、攻めるよりも守ることに精いっぱいだった。

先日、いちばん自由だった時期に出会った友人たちと、久しぶりにごはんを食べたのも大きい気がする。だらだらと話し、飲み、食べるだけの会はどこまでも軽やかで、ああ、あのころが好きだったな、としみじみと思った。

平日はぽかぽかと暖かい日が増え、今週は、久しぶりにひとりでお昼ごはんを食べに行ったりした。勤務時間中に、そんな風にひとりになると、働いているのも、東京にいるのも、なんだか全部、夢のような気がしてくる。

このまま、ほんとはどこにでも行けるんだなと思うと、不思議な気持ちになった。日常が日常でなくなるなんて、ほんの小さな決心と、あるいは気の迷いで決まる程度のことなのだな、と。

http://instagram.com/p/jUDqNbr5aT/

有給をとって雪とたわむれに行っている恋人にメールを1通送り、ゆっくりとカレーを胃に収めて、最後にはとろっと甘いフルーツヨーグルトを食べる。

少し空いてきたお店を縦断してレジまで歩き、1000円きっかりのお会計をして、「どこでも行けるのだな」と思いながら、羽織らなくていいコートを腕に戻る会社のデスクは、そう悪くないものに思えた。

 

とりあえず、しばらくはここにいよう。「それでも、ここにいる」と思っている間は、たぶんそこはそんなに悪い場所じゃない。もうしばらく、わたしはそれでも、ここにいる。