ときどき晴れのくもり空

いつか想像してた未来と今が少し違っていたって

Snow! Snow! Snow!

雪の日。2週末続けて積もる雪とは、とても東京とは思えない。

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今はあったかい部屋の中で、ベッドにもぐりこみ、バレンタインも終えた達成感で週末の戦利品を眺めながらぬくぬくとしている。

 

昨晩は、駅からの帰り道で、ちょっとクリスマスのイルミネーションなど目じゃないくらいの雪の樹が連なっていて、思わず写真を撮ってしまった。iPhoneの画面にちらちらと落ちる雪が、すぐに小さな雫に変わる。

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今週末は、どうやらわたしの実家でも珍しく降っている模様。雪が降ると、南国育ちのわたしはうきうきする分、いつもより寒くない気がしてしまう。

 

昨夜は明け方まで男子フィギュアを見て、この4年間というよりは、いっそ8年間に思いを馳せた。

まだいると思った人が去っていき、もうきっといないと思っていた人がまだ戦っている五輪。予想通りだったり、予想外だったりしたけれど、愛した選手たちの多くが、この8年間で順に、最後にしあわせな笑顔を浮かべて競技の世界に別れを告げていった。昨日、そういう瞬間にまた会えたことが、悲しくもうれしい。

個人的には、今回の五輪は、「おめでとう」よりも、「おつかれさま」と「ありがとう」をたくさん言いたい五輪になった。

もっとも表彰台は、4年前のわたしには、ちっとも当てられなかったであろうメンバー*1いう驚きも含めて、やっぱり競技としてのフィギュアスケートがすごく好きだなと思えた朝5時で、眠気もどこかに行ってしまったくらい。

 

そして、雪をものともせず、今日はライブに行くという恋人について、わたしも果敢に外へ出る。雪国育ちの恋人は、なんだかものすごい軽装で出て行こうとして、その身軽さにわたしは驚いてしまう。

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わたしはぐるぐるストールを目の下まで巻きつけて、しっかりした素材の帽子もかぶって、レインブーツにマキシスカート、そしてもこもこのダウンという、この上ない防寒具合。

本当は雪の日は、前日に食料もすべて買い込んで、一日中、家でぬくぬくが理想なのだけれど、きちんと防寒して遊びに行くというのも、なかなか楽しいものである。

なんのかんので電車は少しずつ遅れながらも動いていて、窓から見える景色が、スクリーンの中のように非現実的で、ゆっくりと進む電車の中で不思議な気持ちになっていた。

ごとごと揺られ、友人とライブへ向かう恋人を見送って。さて、わたしは近くのシネコンで、久々に映画を観るのだ。

 

観たのは『TRICK』の完結編*2。そして、ずっと前に原作を読んだっきりの『ニシノユキヒコの恋と冒険』*3を、ほとんど行きつく暇もなく梯子。

TRICK』はまあお話はいつも通りなのだけれど、もうともかく! ラスト10分が壮絶に素晴らしかった。もっとかっこつけたり、ひねったり、なんでも奇をてらったことをできただろうに、最後の最後にああいう「まっすぐな」ラストを選んだ制作陣の勇気に拍手である。

いやもう! いやもうほんとに! 『月光』が流れ出してからの演技、むしろ、最後1分間の表情だけで、阿部ちゃんに主演男優賞をあげたくなる、本当にファン思いなラストだった。

そして、うっかりほろっとしながら向かった2作目。原作を読んだことがあったなあ、なんだか竹野内さんが男前だなあ、というだけで、せっかく映画館に行くんだしもう1本、と観ることに。

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結果的に、こちらもとても心地よい映画体験になった。

面白いかと訊かれると、面白くはないと思う。*4本当にキャッチコピー通り、ニシノくんがモテてはふられ、ふられてはモテるだけの話である。

でも、きっとわたしはDVDが出たら借りると思う。パッケージによっては、買ってしまうかもしれない。

 

なんというか、竹野内さんはもちろんとして、出てくる女優さんのほんとうに優れたPV。語弊があるかもしれないけれど、「眺める」映画であるのは間違いないと思う。

個人的には顔は大好きで、でも演技はどうだろうなあと思っていた本田翼ちゃんがほんとうに可愛らしく、そして演技が今まで観た中で群を抜いて自然で、とても驚いた。もともと演技力には定評のある女優さんは、もちろん素晴らしい。

そして、何よりも進行役を務める、みなみちゃん! パンフレットや公式サイトの写真ではあまり良さが伝わらないのが残念で仕方ない。完璧な少女っぷり*5で、もうこの子を見られただけでも! というきらきら感があった。あっという間に、今年いちばん気になる若手女優さんに。

出てくる女の人がみんな魅力的に見え、興味のなかった女優さんまで好きになってしまいそうな映画で、それがもしかするとニシノくんの魔法なのかもしれない。ニシノくんを通して観ると、女の人がみんな魅力的に見える。

 

映像もとても綺麗で、画面に映っているものは、細部まですべてがかわいかった。繰り返し流れるテーマ音楽も、ちょっとどこか調子はずれな軽やかさで、とても素敵。

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何十年に一度の雪の日、ほとんど貸切のような映画館で、全編通して少し眠たげな夏の映画を観た。

その記念に、普段はめったに足を踏み入れないグッズコーナーで、何個かお土産を連れて帰ってほくほく。原作の装丁を思わせる配色で、ボールペンもキーホルダーもかわいい。 

ニシノユキヒコの恋と冒険 (新潮文庫)

ニシノユキヒコの恋と冒険 (新潮文庫)

 

ちっとも溶ける気配のない雪の中、買ったばかりのパンフレット*6を読みながら、こんな日にはこれしかない、というオニオングラタンスープを飲みつつ、ライブが終わるのを待つ。

シチューでも、ポタージュでもなく、オニオングラタンスープ。金色に輝くスープにふわっとろっと絡むチーズとたまねぎが、じんわり甘い。ひとくち口に運ぶたびに、雪だなあ、と思う。

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恋人は恋人で、「もっとライブいこうよ!」とほくほくしながら帰ってきた。

家の窓から雪を眺める雪の日もいいけれど、こうしてきちんと防寒して遊びに出る雪の日もいいなあ、と宗旨替えしてしまいそうないい一日だった。

*1:パトリックはともかく、あの3人があの順番という。すごいメンバーである。おめでとう!

*2:さよなら! トリック祭り!!

*3:映画『ニシノユキヒコの恋と冒険』公式サイト

*4:だいたい、恋愛がメインの話というのは、そもそも「面白い」で形容するようなものではない気がする。

*5:清潔感、そしてほのかな色っぽさ、まっすぐな体、生まれたてのような声。中村ゆりか嬢、というらしい。

*6:これもとてもかわいい!