ときどき晴れのくもり空

いつか想像してた未来と今が少し違っていたって

おしまいのカフェイン

仕事終わりに、久々にコーヒーを買って帰った。

こちらはもっと久々に、行き先はタリーズ。この季節になると出る「アイリッシュラテ」*1がとても好きで、とても好きでといいながら、実に年に2回も飲まない。それがもったいないなあと思っていたので、今日はタリーズによることにした。

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この時期は、タリーズもホリデーカップになるので、とてもかわいい。この赤と白と深い緑の組み合わせは、個人的に、無条件に幸せになる配色。

 

毎年、スターバックスにジンジャーブレッドラテ*2が出始め、タリーズにアイリッシュラテが出始めると、「今年もなんとかかんとか一年を無事終えられそうだな」という気持ちになる。

 

夏の飲み物はともかく喉さえ潤えばなんでも、というタイプなので、特に「これ」というのがないけれど、冬の飲み物は少し特別だ。

喉を潤すために、というようも、暖を取るために買い求めることが多いし、それでなければ「ほっとするために」買うということになる。その分、思い入れで選ぶことが、俄然、多くなる。

 

大学生の頃は、それがエクセルシオールのメイプルロイヤルミルクティーだった。

当時、カナダ人スケーターを応援していたわたしは、何かというとメイプルのものを選ぶ傾向があって、大学の空きコマにはそれとベーグルの昼食、というのが定番になっていた。

そうして授業がある日の多くを過ごした場所で、たとえば、試験が終わったとか、レポートをすべて提出しただとか、そういう区切りのときには必ず、メイプルロイヤルミルクティーを飲んだ。

駅前にあるお店で、窓際のカウンターに座ると、ぐるぐると車が入っては出ていくのどかなロータリーが見下ろせた。

最後にそのお店でメイプルロイヤルミルクティーを飲んだのは、大学院の卒業が決まった日のお昼である。

 

そういうわけで、大学生のわたしにとって、「冬の飲み物」もおおむねメイプルロイヤルミルクティーだったので、長い間、実はジンジャーブレッドラテとアイリッシュラテは、「飲みたいと思ってもなかなか出番のこない二番手」だった。

でも、今年からは、そろそろいいかな、と思っている。

 

働き出して以降、実はあれほど何かにつけて飲んでいたメープルロイヤルミルクティーは口にしていない。

メイプルは相変わらず好きだし、カフェインカフェインしたコーヒーを求めているところはあるといえ、ロイヤルミルクティーも、いまだに大好きだ。

ただ、今のわたしには「学生の味」で、少し面はゆい。

働き始めてからの”自分へのご褒美”は、心が家に戻ってしまうようなミルクティーより、どこか常に現実的で、しんと冷えた街の匂いのするコーヒーの方が合っている気がする。

 

だから、今日も仕事帰りにはコーヒーを飲んで、帰って紅茶をいれた。いまは、紅茶に似合うイギリスドラマ、『シャーロック』を見てまったりとしている。*3

こうして少しずつ、夜の街の景色とほどよく疲れた記憶が積み重なって、今度はお酒の味のするカフェラテが、きっと、わたしの「なんとかかんとかがんばった後の飲み物」になっていくのだろう。

別に、あってもなくてもいいのだけれど、でも、あるとちょっと頑張れる。終わったらねあれがあるからね、と思える。

そういうものが増えていくことが、なんとも心強い人生の灯台になる。

 

*1:商品情報 | シーズナルスペシャルティ | TULLY'S COFFEE

*2:商品情報 | スターバックス コーヒー ジャパン

*3:最近はまっていて、珍しく夜更かしをしてみている。1シーズンたった3話だけなのが本当に残念! 今、シーズン1を全部観終わってしまったところ。ホームズよりルパン派だけれど、これは面白い!