ときどき晴れのくもり空

いつか想像してた未来と今が少し違っていたって

ビスケット(チョコレートがけ)

最近、「昔のおやつ」というやつに、えらく心惹かれる。

「昔」といっても、明治の、とか、いっそ江戸時代の、とかいった「昔」ではなくて、いわゆる自分にとっての「昔」。早い話が、「子どものころのおやつ」が、無性に食べたくなる。

そういう話をすると、たいてい「じゃあ今度ぜひ駄菓子バーに」という話になって、それはそれで楽しそうなお誘いなので、ぜひ! と答えてしまうのだけれど、でも、実をいうとわたしのこれは「駄菓子欲」ではないのだ。

 

それでは何かというと、「名前のないおやつ」欲、である。

これが説明がなかなか難しくて、たとえば、もそもそしたクッキー(あるいはビスケット)のチョコがけ。

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チョコパイ、とか、ロリータとか、そういう「ああ……あれあれ」というのも懐かしいのだけれど、「今日のおやつなに?」と訊いたとき、ただ「クッキーよ」と返される類のクッキーというのが、たしかに子どものときにはあった。

アイスボックスクッキーというのか、あのココア生地とプレーン生地が折りたたまれた「クッキー」、あるいは、中央にすべすべしたグミをのっけて焼いたような、なんだかよくわからない、でも手作りではない「クッキー」。

大人になって、おやつの調達場所がもっぱらコンビニになったせいで、そういう「名前のないおやつ」に遭遇する機会がぐんと減った。

 

そのせいか、最近、無性に食べたくなる。

コーヒー味のするチョコレートと、ふつうのチョコレートが交互に真ん中に敷かれた「クッキー」とか、固くて甘い「おせんべい」とか、商品名のさっぱり思い出せない「あられ」とか。

 

食べたいなあ、と思いながら歩いていたせいか、この間、ジェラート屋さんでビスケットサンドを見かけたときには、気づいたら買っていた。

中身はピスタチオのジェラートと、チョコレートのジェラートというとってもおしゃれ仕様なのだけれど、この「なんともいえないおやつ感」にやられた。

「ビスケットのイラスト」を想像したときに、思い浮かべられるような絵に描いたような「チョコがけビスケットらしさ」。

 

もっとも、この素敵なビスケットを食べさせてくれるジェラート屋さん自体は、名のないどころか、最近どんどん店舗を拡大している人気店のよう。*1ジェラートを使ってない「セミフレッド」も、気になるお店。

ピスタチオのジェラートを挟んでいるビスケットには、たっぷりとホワイトチョコレートがかかっていて、これがまたおいしい。

ノスタルジーとともに、おしゃれ欲を満たしてくれるおやつは、これから定番となりそうである。