ときどき晴れのくもり空

いつか想像してた未来と今が少し違っていたって

数ヶ月遅れのベストセラー

思いがけず、帰宅。今週こんな時間に上がれるのは、今日が最後じゃないかな。

明日からはタクシーの日々が待ってると思うと既にもうしんどいけれど、今日はゆっくり休むつもり。だらだらとDVDでも眺めようかと画策中である。

今日はずるをして、晩ごはんは外で食べた。

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先週くらいから、週末に本を読む習慣が戻ってきて、それにつられて、寝る前に本をめくる習慣も戻ってきた。

やはり、手が伸びるのはミステリーなのだけれど、それはほとんどのミステリーというのが、「ちゃんちゃんと読んでいけばちゃんちゃんと出来事が解決する」からに他ならない。

現実世界ではどんなにきちんと進めていても、きちんと出来事が解決することはいっそまれなので、つくりごとでもそういう手順を踏めると、とても安心する。

なんというか、日常は論述問題なので、本の中でくらいは白黒はっきりつく、○×問題を求めているのかもしれない。

 

昨日は、珍しく東野圭吾を読んだ。

 

聖女の救済 (文春文庫)

聖女の救済 (文春文庫)

 

この間書いた、ベストセラーを読まない理由*1がそのまま当てはまるようなパターンで、わたしにとって、東野氏は『毒笑小説』の人である。*2

なので、自分で買ったわけではないのだけれど、うちには2冊も『聖女の救済』があったりして驚く。

おそらく、1冊は東京に来たさいに暇を持て余していた母が買って置いていったもの、もう1冊は恋人の母親が買って恋人に譲ったものである。

たまたま付き合っている二人の人間の母親が、暇つぶしとして同じ本を選ぶという時点で、なんだかもうベストセラーのすごみを感じる。

 

それで、なんとなく本棚に2冊とも並べて、しばらくほっていたのだけれど、この週末に『オリンピックの身代金』がやるという話を聞き、天海祐希さんも出てるのかと思い、そういえば、『聖女の救済』は天海さんが演ったのだったな、と思ったら、俄然、ドラマの方が見たくなったのである。

そして、たしかTLで、「原作と別物」という話だけ流し読みしたので、どれくらい違うのか確かめるために、まずは原作を読むことにした。

 

たしか森博嗣氏だったと思うのだけれど、ミステリーを読んでいる人のほとんどは、推理などしながら読んでいない、と小説の中で探偵役に言わせていて、なるほどと思ったことがある。

わたしはそれを地で行く、「よくないミステリー読み」なので、非常に気持ちよくだまされ、そしてすっきりとした。

なるほどベストセラーなわけだなあ、と思う。

そして、たとえば文章だけでいえば、実は、同じミステリー畑でも、恩田陸さんの方がずっと好みなのだけれど、すっきりするための読書という意味では、断然、東野氏に分がある、とも。

 

その後は、満を持して(?)ドラマ版の『聖女の救済』を観た。

これはたしかに、「別物」だった。

色々と細かな設定が違うよりもなにも、ちょっと綾音さんが元気すぎる。

でも、もちろんこれが、倒れられた後の天海さんの復帰作だということも、一方では知っていて、それを考えながら見ると、まあ元気そうでよかった、と思えてくるなんだか複雑な作品だった。

*1:あした何食べよう? - *はねうまかいざー*

*2:なぜかミステリーでないこの本だけ、子どもの頃から何度か読んでいた。