夜更かしネイル
お風呂に入って、洗い物をして、爪を塗り替え、週末のほとんどを過ごしたベッドに戻ってきた。
今週末は、二日とも目覚ましをかけずに、朝8時に起きて、そしてお昼過ぎまでぐうぐうと二度寝をした。目覚ましをかけないのも、二度寝をするのもとてもしあわせ。
ネイルは今週も、COFFRET D'ORの#OR-44。
いつだか、ベージュばかりの爪に飽きて衝動買いしたものだけれど、会社の蛍光灯の下だと、オレンジというよりはきちんとしたサーモンピンクに見えるので、思いがけず重宝している。
夜中に爪を塗りなおしていると、16歳のときと、わたしの息抜き方法は何もかわらないなあ、と思う。
あの頃は、受験勉強に飽きると、こっそりと爪をピンク色に塗りたてていた。いちごキャンディのような、ラメがごっそり入ったものがあの当時は流行っていたんだっけ。
このネイルはたまたまパールが入っているけれど、今のわたしは、ラメもパールも入っていないシロップのような質感のものか、あるいはいっそ、ぱきっとした絵の具のようなものが好きだ。
高校生の時、うっかり落とすのを忘れて翌日学校に行くと、保健室で落とすのが大変だった大粒のラメは、すっかりペディキュアにすら使わなくなった。
でも、「爪に色をのせる」ということの特別感は、あの頃と寸分違わなくて、嬉しくなる。成長したなあと思うことよりも、変わらないなあと思うことの方がうれしくなったのは、いったいいつからなんだろう。
日曜日が終わったのはね、わかってるんですよ。
だいたいこの時間帯、iPhoneを見るとごていねいに「月曜日」と表示されたディスプレイに、そう心の中でつぶやく。
でも、日曜日が終わってもね、まだ週末は終わってない、まだ続けたいんだよう。
そう思いながら、乾くまで、うっかり眠って週末を終わらせてしまうことのできないネイルを、わたしはおもむろに始める。ほんとうは、今のネイルは優秀で、塗っているそばからぐんぐん乾いてしまうのだけれど。
まあネイルが乾く分だけ長く、でいいから。もう少し、週末を味わいたいのだ。