夜の空港で星を踏む
五反田くんに思いを馳せながら、どこへ行ったのかというと、空港に行ってきた。
空港は好き。夜の空港は、もっと好き。恋人が空港に行っていて、わたしは特にいっしょについていくつもりじゃなかったのだけれど、まるで聞き飽きたキャッチコピーみたいに、突如、思いついた。
そうだ、空港に行こう、と。
ほんとうに完全な思いつきだったので、*1鍵とお財布とiPhoneが入っただけの、ご近所使いのトートバッグに、洗いざらしの髪で電車に飛び乗った。コンタクトすら入っていなくて、だらけた休日のお供の黒縁メガネ。
かろうじて色つきのリップバームが入っていたので、空港に着くまでに、慌ててそれだけ塗った。
待っている間、久々の空港でお店を眺めたりして楽しもう、と意気込んで行ったのだけれど、空港の夜は意外と早い。ほとんどのお店は、わたしが着くと同時に閉まってしまった。*2
仕方ないので、こちらはある程度遅くまで開いているお土産屋さんへ行き、その結果、ついつい最寄駅では手に入らない甘いものなんかを購入。
そして、用事の終わった恋人と、風が少し出てきた中、飛行機を眺めて空港を後にした。
春から秋にかけては、非常に気持ちよさそうなデッキは、日曜の夜ということもあってか、思いの外、人が少なかったけれど、個人的にはここなら一日中いられる! と思った。
床には滑走路と同じ色の光がちらちらとしていて、腰かける場所どころか、レストランのテラス席、それから少し離れたところに、特にどこのお店の席でもなさそうなこんなスペースまである。*3
今度もっとゆっくり、夕方から夜にかけて日が落ちるところを、ただぼーっと飛行場で眺めるために遊びにきたくなる、とてもいいデッキだった。