ときどき晴れのくもり空

いつか想像してた未来と今が少し違っていたって

懐古主義

久々に、本を読んでいる。

働き始めてから、それはもう笑ってしまうくらい、めっきり本を読まなくなって、でも経済的にはゆとりが出来たから、たまに本屋さんに行くと散財をしてしまって。

そういうことを繰り返していたら、結果的に、学生のときにはなかった積ん読のタワーができていた。

 

三連休も一月に二回目となると、大きな予定もなくて、今週末は、それを一気に片付けてしまおうという気持ちで迎えた。

無意識に、安心して面白く読めるものが欲しかったのか、積ん読の中身は、学生の頃に好きで繰り返し繰り返し読んだ本をアップデートしたかのようなラインナップ。

 

その桃は、桃の味しかしない (幻冬舎文庫)

その桃は、桃の味しかしない (幻冬舎文庫)

これは、『落下する夕方』に似ている。

同じ人に恋(らしきもの)をし、ひょんなことから二人で暮らし始める恋敵(らしきもの)の話。

なぜ二回も(らしきもの)と括弧を付けているかというと、その内のひとりは、あまり恋に落ちているようには見えないから。ほとんどちっとも、真ん中に立たされている男の人を好きそうには見えない。

落下する夕方』の華子が主人公になったような、でも、日常の能力としては主人公そのままのような、まあ、そういう穏やかに途方に暮れた話だった。

読むと、ちゃんと出汁をとったお味噌汁のある夕食が作りたくなる。

太陽のパスタ、豆のスープ (集英社文庫)

太陽のパスタ、豆のスープ (集英社文庫)

こっちは、すごく何かに似ているのだけれど、思い出せずにいる。

婚約破棄からの、決意の一人暮らしからの、という話だけれど、ちっともたいそうな話ではない。

スープと独り立ち、というキーワードだけ言うと、『それからはスープのことばかり考えて暮らしたい』に似ているかな。

話の中に、成り行き上、10日間休みを取るという描写があって、そこがいちばんページを捲る手が止まったというのは、悲しき働き人の習性だと思う。

 

あと一冊、コージーミステリー不足を満たすために、和菓子屋さんで奮闘する女の子の話を、それから途中までぽんぽこ仮面の活躍を読んだ。

まだまだ積ん読タワーは健在だけれど、DVDもたくさん借りてきたので、少しペースはゆっくりめ。

それでも、よく読むね、と目を見張られる。そう言った恋人は隣で、なぜか唐突に怖い本を読んでいた。怖過ぎて、同じ作者の別の本にまで手を出していた。

 

本を読みながら、晩ご飯に何を作ろう、と考えていると、まるで学生の頃に戻った気持ち。

ホリデイ [DVD]

ホリデイ [DVD]

今は、平日への最後の悪あがきとして、こちらも昔大好きだった『ホリディ』を観ている。

この映画のキャメロン・ディアスは本当にかわいい。ケイト・ウィンスレットは、とても愛おしい。そして、男性陣が果てしなくかわいい!

 

最後まで観られるかはわからないけれど、自分にとっての古典は、いつでもするすると体に染み込んでくる。

本も映画も、それから音楽も、今年の秋は個人的に懐古主義な気分。