懐古主義
久々に、本を読んでいる。
働き始めてから、それはもう笑ってしまうくらい、めっきり本を読まなくなって、でも経済的にはゆとりが出来たから、たまに本屋さんに行くと散財をしてしまって。
そういうことを繰り返していたら、結果的に、学生のときにはなかった積ん読のタワーができていた。
三連休も一月に二回目となると、大きな予定もなくて、今週末は、それを一気に片付けてしまおうという気持ちで迎えた。
無意識に、安心して面白く読めるものが欲しかったのか、積ん読の中身は、学生の頃に好きで繰り返し繰り返し読んだ本をアップデートしたかのようなラインナップ。
- 作者: 加藤千恵,おかざき真理
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2013/08/01
- メディア: 文庫
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これは、『落下する夕方』に似ている。
同じ人に恋(らしきもの)をし、ひょんなことから二人で暮らし始める恋敵(らしきもの)の話。
なぜ二回も(らしきもの)と括弧を付けているかというと、その内のひとりは、あまり恋に落ちているようには見えないから。ほとんどちっとも、真ん中に立たされている男の人を好きそうには見えない。
『落下する夕方』の華子が主人公になったような、でも、日常の能力としては主人公そのままのような、まあ、そういう穏やかに途方に暮れた話だった。
読むと、ちゃんと出汁をとったお味噌汁のある夕食が作りたくなる。
- 作者: 宮下奈都
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2013/01/18
- メディア: 文庫
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こっちは、すごく何かに似ているのだけれど、思い出せずにいる。
婚約破棄からの、決意の一人暮らしからの、という話だけれど、ちっともたいそうな話ではない。
スープと独り立ち、というキーワードだけ言うと、『それからはスープのことばかり考えて暮らしたい』に似ているかな。
話の中に、成り行き上、10日間休みを取るという描写があって、そこがいちばんページを捲る手が止まったというのは、悲しき働き人の習性だと思う。
あと一冊、コージーミステリー不足を満たすために、和菓子屋さんで奮闘する女の子の話を、それから途中までぽんぽこ仮面の活躍を読んだ。
まだまだ積ん読タワーは健在だけれど、DVDもたくさん借りてきたので、少しペースはゆっくりめ。
それでも、よく読むね、と目を見張られる。そう言った恋人は隣で、なぜか唐突に怖い本を読んでいた。怖過ぎて、同じ作者の別の本にまで手を出していた。
本を読みながら、晩ご飯に何を作ろう、と考えていると、まるで学生の頃に戻った気持ち。
- 出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル
- 発売日: 2012/04/13
- メディア: DVD
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今は、平日への最後の悪あがきとして、こちらも昔大好きだった『ホリディ』を観ている。
この映画のキャメロン・ディアスは本当にかわいい。ケイト・ウィンスレットは、とても愛おしい。そして、男性陣が果てしなくかわいい!
最後まで観られるかはわからないけれど、自分にとっての古典は、いつでもするすると体に染み込んでくる。
本も映画も、それから音楽も、今年の秋は個人的に懐古主義な気分。