3時間先にある小さな楽園
のんびりしたのんびりした! と連呼したGWだけれど、1日だけ、のんびりはのんびりでも少し異世界でのんびりしてきた。
竹芝桟橋から高速フェリーで約3時間の距離にある小さな楽園。
式根島という伊豆七島のひとつで、ほんとうに小さな島。大島と迷っていたのだけれど、「ともかく静かなところで、きれいな海が見たい」という願いを叶えるならこちらかな、と。
前日に調べて予約してという突発的な旅で、日帰り。島の滞在時間は、帰りの便がおくれて尚なんと5時間弱(!)という弾丸トラベルだった。
調べた限りでは、きれいな砂浜と温泉とがある静かな島という認識だったのだけれど、実際行ってみるとたしかにそのとおり。けぶるような緑と、びっくりするほど凪いだ海。
温泉は近くまで行って、やっぱりもう一度海を見ることを優先してしまったので、次回に持ち越し。
特になにをしたわけではないとはいえ、あんまりネット上で情報を見かけなかったので、自分の備忘録として。
ゴールデンウィークだったので、前日のお昼頃に電話で予約をした時点で、朝8時の便は残りわずか。滑り込みで予約をして、後は当日、早起きをするだけ。
と思っていたのだけれど、なぜか出発の時刻を翌日からのタイムスケジュールのものと勘違いして、めちゃくちゃギリギリに竹芝桟橋に着いてしまった。浜松町駅からも5分くらい歩くので、久しぶりに全力疾走。
竹芝駅からだとほぼ歩かないみたいなので、そちらで降りた方がいいかもしれない。
勝手にもっと大きなフェリーを想像していたのだけれど、こじんまりとしたかわいい舟。2階建てのジェット船だった。
そして、こちらも勝手に自由席だと思っていたら、なんとばっちり指定席で、しかも滑り込みなのに窓際が取れていて、とても快適な3時間の船旅。
ただ、こじんまりしている分、船の中には飲み物の自動販売機があるくらいなので、おかしやお弁当は持ち込んだ方がより快適に過ごせそう。
われわれはばたばたしていてので、まったく途中で何も買う時間がなく、朝、家を出るときに持って出ていたアルフォートとチョコレートをひとつずつかじって朝ごはんをすませることに。
こういうときにかじるチョコレートって、ほんとうに非常食っぽい。
船が安定するとベルトを外していいサインが出るので、自動販売機でお茶とアクエリアスを買って一眠り。
二度寝も、揺れる船の中、海の上でするとなんだかとても贅沢で心たのしい時間になる。やってることはいつもと同じなのに、ふしぎだ。
式根島が最終目的にではない便なので、爆睡していると降り損ねる恐れがあるところだけ注意して……と思っていたのに、気づけばぐうぐうと爆睡して二時間半が過ぎ。
意外としっかり電波が入ったので式根島観光協会のサイト(デザインがすごくかわいい!)*1を見て、付け焼刃的に予習をして、気づいたらまた一眠りしていた。
アナウンスの音で目が覚めると、ちょうど式根島。
もっとたくさん大島で降りるのかと思ったら、意外にもたくさんの人が残っていて、そのうちの結構な人数がいっしょに式根島に降り立った。
カラフルな船を見送りながらまわりを見渡すと、みんな民宿の送迎バスへ歩いて行っている。なるほど。レンタサイクルでの移動が主流、と船の中でした予習で学んだのだけれどレンタサイクル屋さんに行くまでの移動手段が必要なのかも。
でも、とにかく小さな島ということだったので、恐れず歩き出すことに。
道なりに歩いて行くと、すぐに観光協会と島全体の地図を描いた立て看板があるので、迷う心配はないと思う。
結局、島の中はぜんぶ歩いて移動したのだけれど、わりあい坂が多いので電動自転車じゃないレンタサイクルなら、歩きの方が楽かもしれない。
スニーカーが楽だとはわかりつつ、海にざぶざぶ脚を浸したかったのでサンダルで。それでもふだんヒールで歩きなれている人なら、ぜんぜん歩けるくらい。
帰りはここにまた来ればいいという確認をして(行きの船で降りる場所と同じ野伏港)、いざ出発。
船が好きなので、到着した時点で既にずいぶんと満足しながら、島の中心部へ向かって進み始めた。
食べて眠って、ごはんをつくって
何をしたというでもないGW。とってものんびりしたホリデイだった。
朝ごはんをちゃんと食べて、お昼ごはんはちょっとズルをして、晩ごはんは自炊して。そういうふつうの生活をきちんとして、いろいろ整った気がする。
朝は永遠にパンと卵とベーコンでいいし、それがいちばん好き。一日だけまいたけといっしょに、ちょっと和風の味付けで食べたのもすごくおいしかった!
休みの日だと毎日朝ごはんを食べてちゃんと飲みきれるので、冷蔵庫にフルーツジュースがあるのがうれしい。このGWはピンクグレープフルーツ。
ちゃんとごはんを食べた以外は、ほんとうになんの無理もしない一週間だったなあ。
だらだら録りだめていた録画を見て(久しぶりに民放のドラマを録画している春クール)、どこまで買ったか忘れてた『きのう何食べた?』を全巻一気読みして、最新刊を買いに行ったり。
GW後半の自炊欲の8割くらいは、このまんがの威力な気がする。
副菜を作らねば! という呪いも同時にかかるけど。何巻だか失念してしまったけれど、てんぷらの話がとても好き。てんぷらに必要なものは、という定義に声を出して笑ってしまった。
ドラマは、天海さんが主演なので『緊急取調室』の2期(当然)と、原作を読んで面白かった『リバース』と、1・2話を続けてみたら面白かった『ボク、運命の人です。』の3本を見ているのだけれど、どれも次回がほんとうにたのしみ!
トップキャスターコンビの再共演という贔屓目がある気もするけれど、『キントリ』は第4回がいちばん好きだったなあ。
最近、石田ゆり子さんのハニオ日記@Instagramに日々癒されているので、『CRISIS』も観たいのだけれど。
あとは少しだけ本を読んだり、行こうと思っていた映画にも行かないまま終えたくらい、のんびりした日々。
GW初日にこんな花を買って浮かれてたのも、なんだか遠い記憶。
小さなイエローのバラ。ピンクや赤、あるいは白以外のバラを自分で買うのは、それもその色だけ買って帰るのは、よく考えるとはじめただったかもしれない。
毎朝カーテンを開けて、花の水を換えて、窓を開けて換気もして。健康的なイエローがよく似合うハッピーな一週間だった。
それでも、こうしてふつうの週末がやってくるとなんだかほっとする。
昨日は朝から雨がずっと降っていて、久しぶりに少し肌寒かったので、次はもう秋かなと思ってシチューを作った。別に夏に食べてもいいのだけれど、やっぱりシチューは寒いときに手を温めながら食べたい。
ちょうどGWの遺産として残っていた牛乳を、丸々1本使って。
ちょっと多いかなというくらい作っておいて翌朝のスープにするのが好きなので、土鍋2つ分せっせと作った。
というわけで、今朝は7時に起きて少し牛乳を足して伸ばして、昨日買っておいたパンもしっかり温め直して、手間いらずの朝ごはん。
お昼は、この間帰省したときにおいしいめんつゆを買って帰ったので、久しぶりに家でうどんをゆでる予定。
しらすと生卵で釜玉うどん。同じ組み合わせでたまごかけごはんも好きだけれど、たまにはうどんもいいなあ。うどんは昨日買っておいた冷凍のさぬきうどん。
そういえば、雨の中、ゆっくり食材の買い出しに行くのもすごくたのしかった。緑が雨にぬれているのを見ながら歩くと、心底ほっとする。
買い物というものがわたしはすごく好きで、なにかの区切りに少し大きな買い物をするのを生きがいにしている節がある。でも、こうやってスーパーで週末の食材を買い込んでいる帰り道がいちばん好きかもしれない。
これくらいのしあわせ
土曜日。のんびりのんびりして長い一日を過ごす。
明け方、ものすごくしあわせな夢を見た。起きるのがもったいないくらい。途中で夢だと気付いて、どんどん都合よく展開を変えて行き、お昼前まで眠ってしまった。
先週末に引き続き、換気をしながら片付け。ほとんどお昼ごはんの朝ごはんを食べる。
パンとスクランブルエッグ。鶏肉とパプリカそれからきのこをオリーブオイルで炒めたものをのっけたあたたかいサラダ。
休日の朝ごはんの定番になりつつあるスムージー。
残っていた苺とバナナ、ミルクと『夏の終わり』という那須で買った蜂蜜をミキサーに入れてぐわーっと。飲みきれなかった分は、サングリアの瓶に入れておいて、しっかり冷やして飲むと甘くておいしい。
苺が中途半端に残ってしまいそうだったので、少し蜂蜜を足して、数年ぶりにアイスバーを作る容器で凍らせて夕食後のおやつに。
昨晩のからあげの匂いがかすかに残っていたのでした換気だけれど、やっぱり窓を開けるのは気持ちがいい。
昔、机のちょうど前に大きな窓がある部屋に住んでいた。
目の前は木がたくさん茂っていて、春も夏もいいんだけど、いちばんいいのは秋だった。
ぽつぽつと並ぶ色とりどりの車の上に、紅葉が視界いっぱいに広がって、毎日住んでいる街なのに、なんだかコテージに来たような気持ちになったものだ。よく窓を開けて、熱い紅茶をすすりながら課題をしたり、書き物をしたりしたなあ。
何年間か窓どころかカーテンを開けることすら縁遠い日が続いていたけれど、もともとわたしは窓を開けるのが好きだったんだっけ。
そんなことを思い出したりした。
あんまり天気がふるわないけれど、やっぱりもう、風を通すとすっかり初夏の匂いがする。スプリングコートですら日中は暑いくらいだもの。
快適なベッドから起きる気がしなくて、ごろごろごろごろと本を読みながら、うたたねをして…の繰り返し。
もうすぐGWがやってくるというので週末に予定をつめこむ必要がなく、ついついごろごろしてしまう。
久しぶりに家族LINEをしたり。
日が落ちてきたところで、コーヒーを淹れて本格的に読書。ベッド脇のランプだけつけて、もうずいぶん長いこと使っているめがねをかけて。
赤いめがねは、学生じゃなくなってからこっち、ご近所以外の外にはつけていかないので、こうしてごろごろした時間だけを共有している。
鏡を見たら、めがね以外は全身見事にグレーで笑ってしまった。ぼんやりしたい日、家の中ではついつい楽ちんなスウェットのワンピースになってしまう。でも首元が詰まったデザインは、さすがにちょっと暑くなってきたかな。
床だけがまだ冷たくて、家の中ではまだ靴下を履いてしまうけれど。
夕方、用事に出かける恋人を駅まで送ったら、もうぜんぜん5時でも日が暮れる気配がなくて驚く。
早めの晩ごはんに、最近熱が復活しつつあるベーグルだけ食べてのんびりしていたら、思いのほか早く帰ってきた恋人がおなかが空いているというので、そろそろほんとうに(!)今年最後のお鍋を作る。
夕方外出したついでにたくさん本を買ったので、ゆっくり読もう。そんな日常。
So much better
春めいて、ある日には、コーヒーまでピンク色。
LION COFFEEのフレーバーはものすごくくっきりしていて、フレーバーものを飲みたい欲が完全に満たされる。こんなにかわいらしく苺でデコレーションされちゃって、なんだかちょっとライオンが居心地悪そうだけれど。
今日は久しぶりに豆から挽いたコーヒーを淹れた。これで、豆のストックはおしまい。
いろんなところへ遊びに行くたびに買っていたので、しばらく新しいものを買うのを我慢していたのだけれど、ようやくストックを使い切った。ゴールデンウィークに尋ねる場所では、何の気兼ねもなくまたお土産を買える。
そして過日。
春はピンクでしょう、ということで『キューティ・ブロンド』のミュージカルを観に行ってきた。
『キューティ・ブロンド』ゲネプロ・ダイジェスト 2017/3/21 シアタークリエ
ポスターの写真すら撮っていないバタバタな観劇だったのだけれど、数時間、現実を忘れてハッピーオーラに染められ、劇場を出た後は現実と向き合う勇気が出てくる、ものすごくポジティブなミュージカルだった。
大学生のころ、YouTubeで見た"So Much Better"のシーンがすごく好きで、何かの試験や面接に受かった帰り道にはiPodに落としたその曲を聴きながら帰った。
メロディーも好きなのだけれど、歌詞もすごく好き。
Is that my name up on that list?
Does someone know that I exist?
~中略~
Ow! Yes, that's my name in black and white
Maybe I'm doing something right
特に上記のサビの部分は、何かに選ばれたときに繰り返し繰り返し脳内で再生される。わたしにとって、とてもとても特別な音楽。
それ以外にも好きな曲が多くて、なによりも元々映画が大好きで、いつか日本でもやらないかなあ、と思っていたミュージカル。もっと早く観たかったという気持ちは、キャストを聞いた瞬間に吹き飛んだ。
だって、神田沙也加ちゃんのエル・ウッズである。
これはもう! 見る前からものすごいヒット配役である予感しかしない!!
もともとソロでデビューされていたときから声がすごく好きで、未だにデビュー曲はカラオケでよく歌うくらいなのだけれど、新感線の『薔薇とサムライ』でポニーというだいぶこじらせたプリンセスをやっていた姿に改めて衝撃を受け。
その後『アナ雪』の大ヒットがあり、神田沙也加という役者の名前自体がポピュラーなものになり……。
満を持しての『キューティ・ブロンド』だなあ、と思った。
さて、実際に観劇した感想はというと。
ともかく大好きな映画が、完璧なミュージカルとして存在した数時間だった。いろいろマイナーチェンジはあるけれど、それも含めて、これだけの年月が経った今改めて、好きな作品を好きな役者さん主演で舞台で観られるのって僥倖でしかないな、と。
「365日、声のことだけを考えて暮らしている」と以前インタビューで答えていたけれど、ほんとうにあの声は至高ですね! ずっと聞いていられる。
あまやかなアイドルっぽい声が好きなのはもちろん、クリアさ(台詞と歌詞の聞き取りやすさ)を兼ね備えているので、ほんとうに耳に心地よい。
件の"So Much Better"も、少し歌詞が違ったのだけれど、あのときと同じ熱量と昂揚感、そして多幸感で胸にまっすぐ届き、自分でもびっくりするくらいの涙があふれた。
衣装もどれもとってもかわいかった!
そして他のキャスト陣もすばらしく。
お姉さま陣は、ほんとうに楽しく達者。どちらも少し原作とキャラが変わっていたのだけれど、この改変はどちらも好きだった。
男性陣はともかくいい声のエメットに、すべての挙動が3割過剰な王子感満載のワーナーにと二者二様で素敵だし。
そして個人的にエル以外で映画派としてびっくりするくらい「ぴったり!」と思ったのは、はじめて実物を拝見したヴィヴィアン役の新田恵海さん。まずビジュアルを限りなく寄せてらっしゃる……!
公式サイトの写真だとそうでもないんだけど、舞台上だとほんとうに映画のままのヴィヴィアンだった。
実ははじめてのミュージカルだった、というのがぜんぜん客席にはわからない安定感。
このミュージカルだと、ヴィヴィアンは原作よりも多くを負わされているのだけれど、最後啖呵を切るところも含めて、ほんとうにいいヴィヴィアンだった。
自分にとってすごく大切な原作がしあわせな形でリメイクされたり、メディアミックスされるというのはものすごく稀なことだとわかっているからこそ、惜しみない拍手を送りたくなるいいミュージカル。
東京千秋楽のカーテンコール、「まだまだ全国を飛び回るから」と言いながらもひとつ大きな山を乗り切った顔がとても清々しい。
ミュージカル『キューティ・ブロンド』4/3東京公演千穐楽カーテンコール
順風満帆だったはずの人生。なのに、踏み出してみた先で思いもかけず決定的に自信を失って。でも、そこでめげずに立ち上がり、自分なりのやり方でもっと明るい未来を勝ち取っていく。それも何かを我慢したりせずに。
もちろん舞台の上で役としている生きる姿に涙したり、励まされたりしたのだけれど、でも「神田沙也加」という役者が演るエル・ウッズには、なんというか説得力があったと言っても怒られないと思う。
どこまでもハッピーなカーテンコールに、このピンク色の幸福は、彼女がエルと同じように「勝ち取った」ものなんだな、と。
拍手をたくさんたくさんして、行きよりも少し顎を挙げて、帰り道を急いだ。
わたしも"Maybe I'm doing something right"と思えるくらいこの場所で、がんばらなくちゃ。10代の頃から、いつも背中を押してくれる風はピンク色をしている。
春色をふたつ
冬の間に使っていたケア要因が、春を迎えて、軒並みきっちり切れて来た。
いちばんよく使ったリップケアは、こってりしたKiehls'からあっさりしたテクスチャのロレッタに。
ヘアケア用品としては、昔からよくPLAZAなどで見て気になっていたのだけれど、使うのははじめて。まさかリップケアが最初になるとは思わなかった。
「虹の涙」というネーミングも、パッケージの手描きイラスト感も絵本ちっくでかわいい!
自分ではもう少しシンプルなものを選びがちなので、見ると新鮮でわくわくするにぎやかな配色がうれしい。
リップエッセンスなのでケア用品なのだけれど、色つきなところも素敵。クリアで少しやさしい色味のレッド。
休みの日にこれだけつけて……というのが、身軽で素敵だと思う。
まだメイクをしていなかった制服のころに戻ったみたいで、つけるたびにこそばゆい気分になる色つきリップ。赤いジェリーを唇にのせてるようでひんやりと心地いい。
さらりとした付け心地も、淡く透けるクリアな赤も、ぜんぶが身軽でとても春らしい気持ち。
この色を見ていたら、バスルームの石鹸も春仕様にしたくなって、MARKS&WEBのサクラをおろした。ほんとうはお花見に行った日におろそうと思っていたサクラ色のまあるい石鹸。
けっこうな大きさなので、夏前に使い切れるかはちょっと疑問だなあ。
それにしても、石鹸というのはいただきものでもらうことも多く、ちょっとしたお土産や記念に自分でも何かにつけ買ってしまうので、どんどんどんどんたまっていく。
寝かさないでどんどん季節にあったものを使って行かないと。去年の夏だったか、ミントの香りのするグリーンの半透明の石鹸を使っていた夏は、手を洗うのが楽しみだった。
いろんなことの衣替えが上手な人になりたいなあ。
アムリタ
日曜日。
雨の降らない週末が、もう一周早かったら……と思いつつも、もはや初夏の匂いがしそうな夕暮れを楽しんでいる。
昨日は結局、たっぷりのポップコーンをお供にレイトショーで映画を観て、帰ってきて泥のように眠った。お昼前までぐっすりと。
起きたら家中の窓という窓が開け放たれていて、風が通されていた。びっくりしたものの、もうちっとも寒くない! なんだかゴールデンウィークみたいな匂いのする風だ。冬中締め切っていたので、とてもすっきり。これで冬は正式におしまい。
昨日とほぼ同じ朝ごはんを作って食べ、お水をごくごくと飲む。
先日、数年ぶりに新しいグラスを購入して以来、水を飲むのがとても楽しい。わたしはほんとうに新しい道具を使うのが好きだなあ。
リサイクルガラスでつくられたスペイングラスは、お花見に行った街で衝動買いしたもの。
スタンプという品名の通り、真ん中にぽてっとかわいいスタンプ型の飾りがあるのが気に入って、税抜き500円とお手軽な値段についつい色違いで買ってしまった。
そういえば、生まれてはじめて自分で買ったグラスも、このお店のものだっとなあ。
バレンタインフェアをしていた店内の一角に、小さなチョコレートを詰め込んだ真っ赤なグラスにゴールドで飾り模様が施されたもので、たしかはじめての期末試験が終わった帰り道にごほうびとして買って帰った。
もうだいぶ装飾が剥げてしまって、ほぼ使うこともないのだけれど、あのときのグラスはたくさんの引越しを経てまだ食器棚の片隅にいる。
ここ数年、毎日使っているグラスのは、そっけないほどシンプルで軽いものが多かったので、このぽってりと重みのあるグラスは久しぶりで新鮮。
ほんの少し中の底が斜めになっていたり、きちきちっとしすぎていないところがかわいくて使いだしてますます気に入った。
ターコイズのような海っぽい青と、むしろグリーンを感じさせる淡いブルーのものをひとつずつ。並べると夏っぽくてとてもかわいい。
飲み口のガラスが少し太いので、なんだかついついお酒が飲みたくなること以外は、とても快適!
今年の夏は、「飲まなくちゃ」とがんばらなくても、たくさん水分を摂取できそうだ。
そういえば、お花見をした街のロータリーにはチューリップも咲き乱れていて、これがとても可憐でかわいかった。
桜の淡い色もいいけれど、春の花はこれくらい無邪気に華やかでもいいなあ。
グラスを並べて、窓を開けて「もう初夏だ!」と喜んでいる反面、できるだけ長く春の余韻を味わっていたいなと思っている。
イエローとブルーの夏は、もう少しお預けでいい。
Re: 桜に間に合った一年
2年連続で同じ場所にお花見に行ったのは、学生時代以来かもしれない。
雨降りの週末の合間を塗って、晴天とはいいがたい曇り空の日に、桜を見に行ってきた。びっくりくらいするくらい人が少なくて、でも桜の方はちょうど満開で、曇天のお花見もいいもんだなあ、と。
上を見上げながら歩くのが好きで、お花見は大通り沿いをゆっくり歩きながらするのがいちばん好き。できれば道幅が広くて、屋台かお店がたくさんある通りがいい。
懐かしいお店のあそこがなくなった、ここはまだやってる、としゃべりながらゆっくり歩く。
おなかが空いていたので、大好きなお店で遅めのランチを。
以前はもっとしっかり隣の雑貨屋さんとお店が区切られていたのだけれど、昨今の流行を受けてか、ゆるやかな区切りにリニューアルされていた。
恋人は、タケノコが意外にもすごくおいしかったお花見限定のポキライスボウル。
写真では色がきれいに出ていないのだけれど、このお皿がすごくかわいかった!
こういうブルーやグレーの食器ってほんとうに好きで、ついつい買ってしまうのだけれど、さすがにそろそろ暖色のものを買い足した方がいいなと思って、となりの雑貨屋さんで探すのを我慢。
まったく同じのを売ってたのかな? 気になるのでそれだけでもチェックして帰ればよかったかも……。
わたしはハンバーガーを。パンが食べたい気分だったのだ。
BBQポークを食べやすく割いたバーガーで、もっちりとした白めのバンズもおいしかった! ものすごくジャンクなファーストフードやがっつりグルメバーガーも好きだけれどこういうちょっとおしゃれなのも、たまにはいいなあ。
かわいい器に入った新じゃがのポテトがまた、ほくほくで美味。
ランチセットにつくコーヒーを飲んで、おなかと心が満たされたところで、いちばんの桜スポットへ向かうことに。いつもよりも人通りが少ないせいで、思っていたよりもずいぶんすいすいと目的の歩道橋に着いた。
いつもよりたくさん人が乗っかっているのにぐわんぐわんと揺れるので、実はけっこうスリルがあるのだけれど、この光景が見たくて。
どちらを向いてもひたすら桜並木が続いている大通り。
この歩道橋と、そして横断歩道を渡っている数秒間が、この街の桜のベストスポットだと思う。とはいえ、横断歩道はゆっくり眺めていると危ないので、しっかりみたいときにはこちらの歩道橋で。
学生のときには、自転車道の上にちょうど桜が咲き乱れていて、登下校がいちばん桜を堪能できる時間だったなあ、と上から眺めながら懐かしく思い出した。
満足したら、下を車が通るたびに揺れる歩道橋を本来の用途通り、向こう側まで渡って降りる。
最後はお目当てのパティスリーで、紅茶とクッキーを買って帰るのだ。
近づくだけで胸の中が甘い香りでいっぱいになる、かわいらしい外観の小さなお店。去年はなかなか店内に入れなかったこちらのお店も曇天のせいか、するするとお会計まですすめた。
去年は混み過ぎて買えなかったシュークリームをひとつ買い、食べながら桜の下を駅の方まで歩く。
去年はガールズティーとクッキーの組み合わせだったので、今年は昨年の缶と並べたときに春らしい配色になるミルクティー用の茶葉に。
Deliceという木苺のジャムを使ったクッキーは恋人のお気に入りで、ふだんたいして甘いものを食べないのに、ものすごい勢いで消えて行った。
少しだけお裾分けをしてもらったら、たしかにサクサクなのにしっとりしているという不思議な食感でとてもおいしい。
その後、もう一度ランチを食べたお店に戻って、併設の雑貨屋さんで買い物を。お皿は我慢できたけれど、他のもので散財してしまった……反省!
最後に気になっていたベーカリーに行こうとしたら既にしまっていたのも含めて、行き当たりばったりさが楽しいお花見だった。
最近、あまり慣れていない街に行くことが多くて、しっかり調べて動き回る休日ばかりだったので、こういう「勝手知ったる」街を並んで歩くというのが新鮮。
今年も、桜に間に合った一年になった。